58話 今度は白っぽい透明な光?
コンラッドが僕に覆い被さって、僕は地面に伏せた後、丸っこくなります。ブワアァァァッ!! と広がったのは、また光だったよ。でもさっきとぜんぜん違う光。
さっきのすぐに消えた光は、黒色の透明な光だったでしょう? 今ブワアァァァッ!! って広がったのは、ちょっと白っぽく見える透明な光でした。
それから黒色透明な光は、とっても気持ち悪い感じがしたのに。白っぽい光は気持ち悪くなくて、反対に気持ち良い感じがしたんだ。
「ルーパート!! まだ動くな!!」
パパの声が聞こえて、そのまま僕は丸まったまま。でも肩に乗っていたモック達が、丸まった時にちょっとだけ転がっちゃったから。僕は急いでみんなに、僕の所に戻ってきてって言いました。
すぐにモック達が走ってきて、僕の胸の下に潜ったよ。そんなモック達を、僕はしっかり体で包んで、もっと丸くなります。
「みんな、おけがちてない?」
『チュウッ!!』
僕が聞いたら、モックが返事してくれて、それからモック達の誰かが、僕の体を1回、パシッて叩いてきたよ。良かった、誰も怪我してないって。
みんながしっかり僕の洋服を掴んでくれてたから、あんまり転がらなくて、怪我しなかったのかも。これからまたすぐに、お家に入ると思うけど、その時もしっかり掴んでいてもらおう。
「アルベリク! これが何か分かるか?」
「こりゃ多分、結界だな。誰が張ったかは知らないが。お前もそう思うか?」
「ああ。マリアベル、どう思う?」
「私も結界だと思うわ。それに、さっきのとは違って、嫌な感じはしないわね」
「それも同じか……。よし、ルーパート起きなさい。そして急いで屋敷の中に。他の者達も、それぞれ動くように」
もう起きて良いって言われたからすぐに起きて、そのままみんなを抱きしめたまま、周りを見ます。そうしたら黒色透明な光と、まだ他にも違うことありました。
黒色透明な光は、広がってすぐに消えたでしょう? でも白っぽい光は消えないで、街の途中で止まっていたの。それにお空にも白っぽい光が見えたよ。こう、街の途中から山の方まで包んでるみたいなんだ。
「さぁ、ルーパート様、中へ入りましょう」
すぐにコンラッドと一緒に歩き始めます。少し離れてママも歩いてきたよ。でも玄関まで後少しの時でした。またまた新しいことが起こったんだ。
パパ達が結界じゃないかって言ってた白っぽい透明な光が、急にお山の方へ戻り始めたんだ。どんどん縮んで白っぽい光の中から、どんどんお外にみんなが出ていきます。
僕ね、僕も白っぽい光の中から、みんなみたいにすぐに出られると思っていました。だってママもお兄ちゃんもパパ達も、みんなお外に出たんだもん。
でも違ったんだ。白っぽい光は僕達の所に来たら、僕とモック達とコンラッドを、そのまま連れたまま縮まったの。
それからこう、見えない何かに引っ張られる感じがして、どんどん山の方へ歩いちゃんたんだ。
「パパ!! ママ!! おにいちゃ!!」




