53話 できる限りの準備を(***視点)
『みんな集まって、こっちだよ!!』
『慌てなくて良いからな』
『まだ時間はあるからね!!』
『小さい子は集まって!!』
『フルール、こっちは準備OKだぜ』
『分かった。どう、どんな感じ?』
『ここまでずっと準備してきたからな。予定よりもかなり多く集まったぜ』
『そっか、良かった!!』
『フルール!!』
『ルルリ!! そっちの準備は?』
『完璧だよ。みんながゆっくり休むのに、必要な物は全部揃ってるし。予備も完璧だよ』
『良かった。でも足りなくなりそうなら言ってね。何が起こるか分からないから、あまり他のことに力は使えないけど。小さな木だったら、問題なく生やせるからね』
『フルールが生やした木の葉っぱは、やっぱりその辺の木の葉っぱや草よりも、ぜんぜん気持ちが良いからね』
『なんて言ったって、僕は木の精霊だからね!!』
『お~い!』
『あっ!! フライ、そっとはどう?』
『今のところ問題の魔獣達は、俺達の方じゃなくて、別の場所に向かってる。他の魔獣達は、こっちに集まって来てる。それで結界を張ることができる魔獣達が、一緒に結界を張ってくれるってさ』
『本当!?』
『ああ、だから話しがしたいって』
『もちろん行くよ!! 今どこにいるの?』
『水の木の所に居るぞ』
『分かった!! 小さい子達の確認をしたらすぐに行くから、待っててって伝えてもらえる?』
『おう!!』
『じゃあみんな、これからも気をつけて動いてね。それで何かあったら、すぐに僕に連絡して!』
僕はすぐに、小さい子達が集まってる場所に向かい。そしていつも集まっている子同士、誰か来ていない子がいるか、きちんと聞いて回ったよ。
『大丈夫? みんないる?』
『『『いるー!!』』』
『よし! じゃあみんな、今日からはここで過ごすから、ミミーの言うことをよく聞いて、勝手に動いたりしないでね。それから何かったらすぐに、お兄さんお姉さん妖精に知らせてね』
『『『はーい!!』』』
小さい子達が全員いる事が確認できて、少しだけどホッとしたよ。でもすぐにまた動かなくちゃ。
僕は言われていた水の木の所まで、急いで移動したよ。だって手伝ってくれるって言ってもらえたのに、待たせちゃダメだもん。
『遅くなってごめんね! ……サンダーウルフにシャドウベアー!? それに他もいっぱい!?』
待っていたのは、僕達が住んでいる森の中で、とっても強い魔獣達だった。
『来たか』
『みんなどうしたの?』
『お前達がこの森を守ろうとしているのに、俺達が手を貸さないわけないだろう。というか、さっさと話に来れば良いものを』
『だってみんな、すぐに別の森に逃げちゃうと思ったんだもん。僕達よりも自由に、どこにでも行けるからさ。それに、早く動けない魔獣や、弱い魔獣達で、避難が間に合わない魔獣がいたら、こっちに集めて、結界を張ろうと思ってたんだ』
『お前達の父親のおかげで、俺達は他の森よりもずっと良い暮らしをさせてもらっている。それにお前達の力にも、助けられているからな。そんなお前達を、置いて逃げるわけがないだろう』
『大体逃げたところで、逃げた先でも同じことが起きたら? いや、すでに起きていたら? そのためにも、少しでも情報を集めておかなければ。それには人数が必要だろう?』
『まぁ、なんだ。皆で力を合わせろって事だ』
『それと今、地下に道を作っている。隣の小さな森へ、道を通す予定だ。結界を張ってもダメな時もあるからな。逃げ足の遅いものは道が出来次第、そこから森の外へ逃がす予定だ』
『そっか!!』
『お前達はどうする?』
『僕達の父様と繋がる大切な場所だから、なるべく離れたくないんだ。ほら僕達は、なるべく澄んでいる場所にいないと、すぐに弱っちゃうでしょう? 他の場所をすぐに見つけられるか分からないし。でもいざとなったら、みんなで逃げるつもり』
『そうか』
『……あのさ、僕達もその道を使わせてもらっても良い? 魔法を使って逃げる予定だったんだけど。……あれやると、誰かが消えちゃうかもしれないから』
『もちろん、良いに決まっている』
『ありがとう!!』
『よし、決まりだな。とりあえず結界は向こうの……』
『フルール!! フルール!! どこ!?』
僕を呼ぶ、とっても慌ててる声が聞こえた。
『何だ? どうした?』
『何か問題が起きたか?』
『僕はここだよ!!』
『あっ、フルールいた!! フルール大変!! あの例の場所、真っ黒になっちゃったんだ!!』
『え? 真っ黒?』




