52話 家族みんな一緒で嬉しいなぁ
「パパ~、ぼくとモックとペチャのキックでうごけないくした、きのみむしおいち?」
「ああ、今まで食べた木の実虫の中で、1番美味しいぞ」
「ほんちょ?」
「ああ、本当だ。それに切ってこの大きさならば、普通の木の実虫よりも大きかったのではないか?」
『確かにそういえば』
『今回やっつけた木の実虫の中で、1番大きかったかも』
「初めてで、そんな大きな木の実虫の動きを止めるとは。ルーパート。本当に頑張ったな。そしてモック達もそれぞろぞろ頑張った。とても素晴らしいぞ」
「えへへ~」
『私達だから、きっと上手にできたのよ。次も何かあったら頑張りましょうね!』
『おう!! そうだ、今度は組みを変えてみようぜ。後で魔獣カードで決めよう!』
『そうだね、どんな時でも誰とでも、戦えた方が良いもんね』
「そうの通りだ。様々な事を経験し、様々な事をやってみる事で、ただ練習するよりも成長することができる。お前達は自然のことに詳しい。ルーパートにいろいろ教えてやってくれ。そして、皆で力を合わせて頑張りなさい。私達も、教えることはしっかりと教える」
『もちろんっチュ!! 俺達、ルーパートと頑張るっチュよ』
『そうそう、僕達家族だもんね。頑張るならみんな一緒に、何かをやるなら、みんな一緒にだよ』
「うん!! いっちょ!!」
パパがニコって笑ったよ。
僕達は今、まだ玄関前にいます。あっ! パパのお仕置きは、少し前に終わりました。今はね、僕がパパのためにとっておいた、僕達が動きを止めた木の実虫のご飯を。パパが小さなドラゴンさん姿で、食べているところだよ。
元の姿に戻り、着替えをし、それからご飯を食べるなど、これ以上は待てない。今すぐに食べる! ってパパが言ったも。
だから玄関前にテーブルを持って来て、パパはご飯を食べる事になったんだ。ドラゴン姿のままなのは、モック達の話しを聞くためだよ。
それに、先にご飯でちょうど良いって。パパにお仕置きされた王様。少しの攻撃だとせんぜん怪我をしない王様だけど。パパがしっかりお仕置きしたから、体が擦り傷だらけになっちゃったんだ。
だからママにお薬をもらって飲んだ後、一応治癒師さんに診てもらいましょうって。今治癒師さんが王様を診察してくれてるの。だからご飯でちょうど良いって。
パパは王様がいなくなってから、ずっとニコニコです。それに僕達の木の実虫ご飯、とっても美味しいって。だから僕たちもとってもニコニコ。
「しかし、この料理を食べていると、やはり今回の訪問は間違いだった。もう当分の間、私は自分の仕事以外は外に出ないぞ」
「私もよ。まったく、ルーパートが中心の生活になると、あれほど言っておいたのに。まぁ、アルベリクは仕方がないとして、他の人達は。ちゃんと注意したつもりだったけれど、伝え方が足りなかったかしらね」
「大丈夫だ。今回戻る前に、もう1度丁寧に説明して来たからな」
「あらそう。じゃあ大丈夫ね」
「何が丁寧にだよ。あれはどう考えても脅し……」
「アルベリク! 子供達の前よ!」
「あ、ああ、悪い悪い。……良いじゃねぇか、少しくらい」
ん? おど? 何? 治癒師さんに診てもらっていた王様が戻って来ました。それで何かお話の途中で、ママに怒られたよ。
「今、食事中だ。お前はそっちの隅で待っていろ」
「それが客に対する態度かよ」
「私の中では、お前は客ではない。そして今私は、お前が邪魔をしたせいで、味わえなかった、ルーパートの初めてを味わっているのだ。何か文句があるのならば、今すぐにでも吹き飛ばし、城に返しても良いのだが?」
「だから悪かったって。はぁ、静かに待ってるよ」
王様が玄関ドアの方へ行って、椅子に座ったよ。パパのご飯が終わったら、王様と話しをしても良いって、僕もモック達も楽しみにしてるんだ。
でも王様とお話しできるのも楽しみだけど、今はパパと一緒で楽しいし、とっても嬉しいです。
「パパ~」
「何だ?」
「すこしのあいだ、どこもいかない?」
「ああ、これからずっとではないが、どこへも行かないぞ」
「そう、ふへへ、うれちいねぇ。あのね、きょう、いっしょねてい?」
「ああ、もちろんだ。今日は一緒に寝よう」
「へへへ」
『俺も一緒っチュ!』
『僕も!!』
『私だって!!』
『俺も俺も!!』
嬉しいなぁ、パパが帰って来て嬉しいなぁ。みんな一緒で嬉しいなぁ。また今日から家族みんな一緒だよ。




