46話 パパが帰ってきた!! でも僕達はバタバタ?
「お~い、ルーパート、父さん帰ってきたぞ!!」
「パパ、かえってきちゃ!!」
『お出迎え行くっチュ!!』
『行こう行こう!!』
『予定より帰って来るの遅かったけど、帰ってきてくれて良かったな!!』
『ほら、行きましょう!!』
「と、待って!! パパはもう少しかかるから、その前にお着替えしましょう!!」
みんなでお部屋から出て走って行こうと思ったら、ママとフレデリカが僕達のことを止めてきました。
それから、ちょっと行ってくるって、どこかに行っていたブライディンも戻ってきたんだけど。なんかいつもと違って、カッコいいお洋服を着ているような? それにいつもはだらっと着ている洋服を、ピシッときちんと着ていました。
「コンラッド交代だ」
「ルーパート様、少々失礼致します」
そうして今度はコンラッドがどこかへ行っちゃったよ。
「ママ~、パパかえってきちゃ」
「ええ、分かっているわ。あのね、パパがお客様を連れてきたのよ。だからいつものお洋服ではなく、お客様にお会いする時のお洋服に着替えましょうね。パパはゆっくり飛びながら戻ってきているから、洋服を着る時間はあるわ。エリオット! あなたも早く着替えてきなさい!」
僕はママの後ろを見ます。使用人さんとメイドさん達が、とってもバタバタしていました。
「さぁ、部屋に入りましょう。そうね、せっかくだから、あなた達もおめかししましょうか。フレデリカ、私の部屋から、私の裁縫道具が入っている入れ物を持ってきて」
「かしこまりました」
「奥様!」
「ターラ、ちょうどよかったわ。これからフレデリカが私の裁縫道具の入れ物を持ってくるの。その中に、私が作った小さな装飾品が入っているから、この子達に好きなものを選ばせて、つけてあげてちょうだい」
「はい!!」
少ししてフレデリカが戻ってきたよ。ママの裁縫道具が入っている入れ物は、とっても大きいんだ。持つとフレデリカのお顔が見えなくなるくらい。普通はもっと小さいんだけど、ママのは特別なんだって。
「それじゃあ、モックとペッチャとシエラとウルーは、ターラの方へ行ってちょうだい。みんなもルーパートみたいに、可愛くカッコよくなりましょう」
『何だろうっチュ?』
『大きな箱だね』
『あれに何か可愛い物が入っているのかしら?』
『カッコいいのも入ってるみたいだぜ?』
「さぁ、ルーパートはこの洋服にお着替えしましょうね」
僕は気になって、モック達の方を見ちゃいます。ママとフレデリカが前を向いてって言うんだけど、でもどうしても気になっちゃうの。前を見たり横を見たり……。
『わぁ!! 凄い!!』
『俺達もルーパートみたいになれるっチュ!?』
『可愛いがいっぱい!!』
『これ、なんかカッコいいぞ!!』
モック達の声を聞いて、僕はモック達の方に走っちゃったよ。
「ルーパート! パンツ1枚で走らないの!! それにパパが遅く飛んでくれているといっても、時間がないのよ!」
でも、何が入ってるか気になるの。僕はママに待ってって言って、モック達みたいに入れ物の中を覗きました。
「おおおっ!!」
入れ物の中にいっぱいの、とっても小さい蝶ネクタイとリボンが入っていました。それからヒラヒラしている物と、ふわふわしている物も。これは何かな?




