45話 お外で楽しい美味しいご飯
「ごはん、ごはん!!」
『ご飯っチュ!!』
『ねぇねぇ、僕切ってみたい』
『私は飾りを用意するわ! あんたもこっちで私を手伝いなさい』
『え~、俺は木の実を割る方が良いから、そっちはお前が……』
『何?』
『う~、だってさぁ』
「何か揉めているみたいだけれど、どうしたの?」
「飾り付けを手伝えって、でもウルーは木の実を割りたいって言ってるんだよ」
「じゃあシエラ、私と一緒に飾り付けしましょう。飾り付けは私達がした方が、絶対に綺麗にできるもの。ね」
シエラお姉さんが頷いて、ママと一緒にテーブルの方へ行ったよ。僕とモックとペッチャとウルーはそのまま、みんながご飯を作っている場所に残りました。
『僕もやってみたい』
『俺もっチュ』
「ぼくも!!」
「この魔獣を倒したのは坊っちゃま方ですが、さすがに切るのは危ないですよ」
僕のお家でご飯を作ってくれている、料理長のパーキンがそう言います。
『でも、今のスパッ!! って感じ、なんか良い感じっチュ』
『そうそう、なんか切った時の感覚が気持ちよさそう』
「ぼくもスパッ!!」
「ほら、みんな、邪魔するとどんどんご飯が遅くなるぞ。これから料理するんだからな」
今ね、僕達はお庭にいるんだ。外は夕方。これからお庭で、木の実虫や他の食材を焼いたり煮たりして、そのままお庭でご飯を食べるんだよ。えっとなんだっけ? あっ! 地球のバーベキューみたいなの。
それで今、パーキンや他の料理人さんが、食材を切っているんだけど。木の実虫を切った時、スパッ!! と綺麗に切れて。それがなんか、とっても良い感じに見えたから、みんなで切らせてってお願いしてたんだ。
「はぁ、すまないパーキン。俺と兄さんで一緒に切るから、その木の実虫だけやらせてくれ。このままだとこの場から動きそうにないからさ。それに今回はルーパートの初めての成果だから、させてやりたいんだ」
「初めては特別ですからな。分かりました、これは坊っちゃま方にお任せします」
「すまない。いいか、皆で順番に、私達と切るぞ。そして終わったらここをすぐに離れる。約束できるな」
「あい!!」
『『『は~い!!』』』
大きな木の実虫だったから、みんなそれぞれ2回ずつ切ることができたよ。最初にレオンハルトお兄ちゃんと切って、次がエリオットお兄ちゃんと切りました。
一緒に包丁を持って、スパッ!! ぜんぜんザラザラもギコギコもしないで、スパッ!! と切れたの。う~ん、気持ちいい!!
モック達もお兄ちゃん達と一緒に、初めて包丁を使えて、とっても喜んでいました。ウルーなんて、2回目は1匹で切ったんだよ。パーキンが、ほう。なかなかの包丁捌きだ、って褒めてました。
切った後はお約束、みんなでご飯を作っている場所から離れて、デザートの木の実をみんなで割ったんだ。みんなで守った木の実。全部しっかり守ることができました。
そして数十分後……。僕の初めて倒した木の実虫は、とってもとっても美味しかったです。こう、ふんわりしてて、コリコリ部分もあって、もっふんもっふんもしてるし、噛むほどに、ジュワッてなって……。
「ぷっ、料理の解説してるぜ」
「声に出していると、気づいていないのだろうな。その辺の料理評論家より、しっかりしている」
木の実虫、本当に美味しかったです。それに他のご飯もとっても美味しかったよ。
あっ、でも僕、僕が倒した木の実虫のお料理は、全部ご飯を食べませんでした。収納魔法にしまったんだ。
だって僕の初めて、パパに食べてもらいたかったの。収納魔法は腐らないから大丈夫だもんね。
パパ、早く帰って来ないかなぁ。僕ねフローリットバードに変身できたし、飛べたし、倒せたし、初めての事がいっぱいできたんだよ。




