42話 初めての変身魔獣さんでの戦い
「ルーパートが戦闘だと!?」
「いてて、兄さん、何するんだよ!! ってか何で兄さんが、ルーパートの戦闘って知ってるんだよ。今はここが見えない奥の部屋で、仕事をしてたはずだろう」
「戦闘については適当に言った。が、正解だったようだ。ルーパートが何かをする!! と感じたのでな。やはり来て正解だった」
「感じたって、おかしくないか?」
「お前も同じじゃないか。この間新しい魔獣洋服を作って着せようと思っていたら、何か良いものが見られる予感とか何とか言って、私の部屋に勝手に入って来ただろう。私は入室を許していないにも関わらず。まったく可愛い姿を最初に見るのは、私だけで良かったものを」
「兄さんだけに、可愛いルーパートを1人じめさせるかよ」
『そこ!! 兄2人、煩いわよ!!』
「「はい」」
シエラお姉さんに、お兄ちゃん達が怒られたよ。
『みんな行くぞ!!』
『『『おー!!』』』
「おー!!」
もう、レオンハルトお兄ちゃんがいきなり来て、走ろうとしてたのが止まっちゃったから、木の実虫がもっと木の実に近づいちゃっでしょ!!
みんなで勢いよく、木の実虫に向かって走っていきます。おお!! 鳥さんだから3歳の僕よりも走るの早いし、ヨタヨタしない!!
「鳥さんだから人の姿の自分よりも、走るの早いしヨタヨタしない! なんて考えてそうだよな」
「実際にはだいぶ皆から遅れているがな。それが可愛い!!」
『それぇぇぇっチュ!!』
『たあぁぁぁ!!』
『木の実から離れなさい!!』
『この木の実は渡さないぜ!!』
「ちゃあぁぁぁ!!」
『あっ!! 今度は向こうに木の実虫が!!』
『みんな行くっチュ!!』
『『『おー!!』』』
「おー!!」
1番近くにいた木の実虫がちょっと離れたら、別の所から木の実虫が出てきたんだ。だから今度はみんなで、新しく出た木の実虫の方へ走ります。
『それ!!』
『向こう行くっチュ!!』
『触るんじゃないわよ!!』
『俺達の木の実だぞ!!』
「ちゃあぁぁぁ!!」
『あっ、さっきの奴戻ってきたっチュ!!』
『みんな戻るよ!!』
『『『おー!!』』』
「おー!!」
「ぷっ!!」
ん? 今誰か笑わなかった? 気のせい? 僕達今、頑張って木の実虫をやっつけようとしてるだけだし。何も面白いことないはず?
「何だあれ、立派なのは声だけって」
「皆に追いついて、攻撃しようと気合いの声を出すのは良いが、追いついた頃には皆がもう追い払っていて。そして次の木の実虫へ攻撃しに行き、また遅れて到着するが、やはり皆が先に追い払っていて、ルーパートは気合いの声だけか。くっ! なんて可愛いんだ!」
「まぁ、今のルーパートじゃあ、ああなるわよね。まったく可愛いんだから」
「おうおう、一生懸命走ってるな」
「ルーパート様、しばらくお会いしないうちに、ご立派になられて」
「……コンラッド、お前もルーパートの家族じゃないが、大概だよな」
『そっちに出たよ!!』
『たあぁぁぁチュウゥゥゥ!!』
『諦めなさい!!』
『キークッ!!』
「ちゃあぁぁぁ!!」
「どれ、そろそろ手伝いに言ってやるか」
「お前は良い、私が手伝う」
「良いところだけ持っていこうとしたって、そんな事させないぜ」
「フンッ、私だけで十分だ」
「させるかよ」
「ほら、あなた達。言い合いをしていないで、手伝いに行ってあげなさい」
『あっ、お兄ちゃん達来てくれるみたいだぞ!! ルーパート、最後まで頑張るぞ!!』
「うんっ!!」
『一緒に蹴りっチュよ!!』
「うんっ!!」
『たあぁぁぁチュウゥゥゥ!!』
「ちゃあぁぁぁ!!」




