41話 変身魔獣さんで攻撃?
「へんしん!!」
ぽんっ!! できたかなぁ、できたかなぁ?
「できた!!」
『前よりも早く、変身できるようになったっチュね』
『僕達の姿に変身の時は、時間かかったもんね』
『ねぇねぇ、変身ってさ、その変身した魔獣の攻撃ってできるのか?』
『できるでしょう? だってパパ達は攻撃見せてくれたじゃない』
『じゃあルーパートも今、攻撃できるのか?』
「できるけど、さすがに今のルーパートじゃな。まずはしっかり変身できる事だけ考えて、それができるようになってから、攻撃の事を考えるんだ。俺は最初から攻撃したけどな。それで家の壁にヒビが入って、物凄く怒られたぜ。ハハハハハッ!!」
『『『……』』』
「ん? どうした?」
モック達が目を細めてじ~とエリオットお兄ちゃんを見ます。エリオットお兄ちゃん、壁壊しちゃったの? ダメなんだよ、お家に向かって魔法を使っちゃ。それにみんなが大切にしている物に向かって、魔法を使うのもダメ。
「笑い事じゃないわよ、あなた、この前も庭の置物を壊したでしょう。わざわざ邪魔にならない場所に置いてあったのに。いくら言ってもダメなのだから。ルーパート、お兄ちゃんの真似は絶対にダメよ」
僕そんなことしないよ? 壊したりしないもん。
僕は今日、フローリットバードに変身する練習をしました。この前始めてフローリットバードになれて、ママが練習しても良いって言ったでしょう? それで練習を始めたら、モコレットとモモリスよりも早く、フローリットバードになれるようになったんだ。
「さぁ、今日の練習は終わりよ。でも遊び終わったら、一応元に戻る練習もしてね」
「うん!!」
『じゃあ、昨日見つけた穴に行くっチュ!!』
『何があるか、ドキドキだけど楽しみだね!!』
『ん? ちょっと待って……。みんな花壇を見て!! 私達の木の実を狙ってる虫がいるわ!!』
『何だって!?』
みんながシエラお姉さんが指差した方を見ます。さっき僕が練習をしている時に、練習が終わったら食べられるようにって、モック達が木の実を採ってきてくれたんだ。
その木の実は花壇の所に置いてあったんだけど、その木の実を狙って、木の実虫が近づいて来てたんだよ。
木の実虫は、木の実ばっかり食べちゃう、芋虫みたいな虫です。でも大きさがとっても大きくて、丸くなると野球のボールの2倍くらいの大きさなんだ。
いつもは林や森にいるけど、時々街にいっぱい来ちゃって、木の実を食い尽くしちゃうの。だから街に住んでる人達も僕のお家でも、捕まえてご飯にするんだ。鳥のお肉みたいで、とっても美味しいの。
『みんな捕まえるわよ!!』
『『『おー!!』』』
「おー!!」
「おっ、ルーパート、魔獣姿で初めての戦闘か?」
そうエリオットお兄ちゃんが言って、僕達が走り始めようとした時でした。僕達の前にバサッと何かが降りてきたんだ。
「邪魔だ、そこを退け!!」
「ぐえっ!!」
そしてエリオットお兄ちゃんが後ろに飛ばされました。




