37話 人間は何をしたの?(***視点)
『ねぇ、誰か父様に連絡したんだよね?』
『もちろん!! でも連絡した瞬間に、途切れちゃったんだよ!』
『今もずっとしてるけど、ぜんぜん繋がらないんだ』
『あれ、早くとらないと、絶対にまずいよ』
『人間は何であんな物、埋めたのかな?』
『すぐに取れそうなのに、ぜんぜん取れないよ』
『大変大変!!』
『今度はどした!?』
『周りの木や花や草が枯れ始めちゃったよ!!』
『わわ!? 本当!?』
『みんなで見に行きましょう!!』
みんなで僕達の大切な、木や花や草が生えている場所へ急いだよ。そして見たのは……。
『何これ!?』
『さっき急に枯れ始めたんだ!!』
『これ……、あれが埋まってる場所だよね?』
『この感じ……、きっとあれが枯らしているのよ』
『やっぱりどうにか取れない!?』
『俺が直接触って……』
『ダメだよ! それやろうとして、みんな具合が悪くなっちゃったでしょう!! まだ一応父様に貰ったお薬はあるけど。でも何かあった時用に、ちゃんととっておかなくちゃ。それに危険な物に触るのは、絶対にダメ!!』
『でもよう、このままじゃ。まだ少し距離はあるけど、どんどん枯れるのが進んじゃったら、父様の木の所まで行っちゃうかもしれないんだぜ?』
『確かにそれはあるわね』
『それに、これのせいか分からないけど、森の魔獣達も暴れ始めてるし』
『このままじゃいろいろな物が枯れて、魔獣達にも破壊されちゃうかも。それに僕達も襲われちゃうかもしれないよ』
『どうしよう』
集まってたみんながしーんとなったよ。どうしたら良いかな? あれは絶対に触るのはダメ。またあの子達みたいになったら大変だもん。今はみんな治って元気になったけど、また同じことになったら大変。
でもこのままじゃ、今言われたみたいに、もっと大変な事になるかも。そうなったら僕達みんな消えちゃう……?
人間は触れたんだから、人間ならあれを取れるかな? でも確かあれを入れた人間も、様子がおかしかったような?
どうしよう、どうしたら良い? まずは魔獣達がこっちに来ないようにするのと、これ以上枯れるのが進まないようにするのが大事だよね。あっ、その前に避難が先かな? う~ん、どうしよう。
とりあえず小さな子だけでも、中心に集めておいた方が良いかな? それで何かあれば、誰かに付き添いをしてもらって、別のみんながいる場所に逃げてもらって。僕達はギリギリまで、父様の大切な物を守る。それで良いかな?
本当は父様とお話しできれば良いんだけど。なんか急にお話しできなくなっちゃったし、いつお話しできるか分からない。今は僕がしっかりしないと。
父様に貰った薬は、まだいっぱいあるから大丈夫。でもなるべく使わないようにしなくちゃ。これから何がある分からないもんね。それに、もしもみんなで結界を張る事になったら、その時にも薬がないと。
結界の時のお薬、それからもしかしたらに時のお薬。……うん、薬は大丈夫そう。
『みんな、とりあえず小さい子を中心に集めて。それから見張はこのままお願いできる? でも危ないと思ったら、すぐに戻ってきて。それから父様にも、このまま連絡を取り続ける。僕はいろいろ確認してくるから』
『分かった!!』
『みんな行きましょう!!』
『フルール、気をつけてね』
『うん! さぁ、みんな動いて!!』




