25話 みんなでパパ達とお約束
「そう、それじゃあそのまま、パーティーをしていたのね。はぁ、ママ、とっても心配していたのよ」
「ごめんなしゃい……」
『ごめんなさい』
『ごめんなさいっチュ』
「何て?」
「皆、謝っている」
魔獣さん達のお家から帰って来て、ママにただいまをした後。魔獣さん達は僕のお部屋で、ママとお話しをしたんだけど。みんなでママに怒られちゃった。
何ですぐに帰って来なかったの、帰って来てからパーティーすれば良かったでしょう。ママとっても心配したって。それに使用人さんやメイドさん達が、穴を掘ってくれてたんだ。
だから今、僕達はみんなで、ママにごめんなさいをしたところです。魔獣さん達の言葉はママは分からないから、パパやお兄ちゃん達が、ママに伝えてくれてるよ。
ママにもパパ達にも心配かけちゃったし、使用人さんやメイドさん達にも、迷惑かけちゃった。僕、楽しくて嬉しくて、ちゃんと考えなかった。ママ、パパ、お兄ちゃん、みんなごめんなさい。
「ルーパート、これからは本当に気をつけてね。きっとこれからルーパートは、たくさんの魔獣さんのお友達ができると思うわ。その時はママでもパパでも、お兄ちゃんでも良いから、必ず先にお話しして。急にいなくなて、そのまま帰って来ないと、何かあったと思って、みんなとても心配してしまうわ。みんなお約束よ」
「あい!!」
『『『はい!!』』』
『はいっチュ!!』
「とは言ったものの、魔獣の言葉が分かるのは、あなた達だけなのよね。魔獣だけで来られると、私や使用人やメイドだと、対応できないかもしれないのよねぇ」
あっ!! 怒られる前に、魔獣さんとお話しできたことも、お話ししたんだ。そうしたら魔獣さん達の言う通り、変身すると魔獣さんとお話しできるようになるんだって。
何で教えてくれなかったかは、僕が神様に、変身の魔法を貰えないといけなかったから。
変身の魔法をもらう前に、魔獣さんとお話しできるようになるって分かっていて、もしも変身の魔法を貰えなかったら?
僕ね、魔獣さん大好きだから、お話しできるのとっても嬉しいです。でも、楽しみにしてたのに、変身の魔法を貰えないと、お話しできないでしょう?
お話しできなかったら、僕、とっても悲しくて泣いちゃってたかも。だからパパ達は、変身魔法をちゃんと貰えてから、お話ししようと思ってたんだって。
それからお婆ちゃんが、パーティーの時にお話ししていた、嬉しいこと、楽しいことって言っていたのは。魔獣さん達とお話しできることでした。
他にも楽しいことはいっぱいあるみたいだけど、だんだんと分かるから、また楽しみにしていてねって、ママが言っていました。
「私達だけの時は、どうしようかしらね。ルーパートがいれば何とかなるけど。ルーパートが今回みたいにどこかに行ってしまった後に、魔獣達だけで伝えに来られたら困るわ」
「変身がもう少し安定するまでは、こちらで遊ばせるしかないだろう。もう遊ぶ約束をしてしまっているからな」
「私としては、私よりも楽しみにしている魔獣達との遊びは、あまり認めたくはありませんが。それでも、私達の目の届かないところで遊ばれるよりは良いでしょう」
「兄さんは心が狭いな。俺は、俺もルーパートの友達魔獣と友達になって、一緒に遊ぶ予定だぜ。その方が可愛いルーパートを、より近くで見ていられるからな」
「そうか、では私はルーパートと魔獣達が喜ぶ物を用意して……」
「はいはい、あなた達のルーパートの話しは後でしなさい」
「良いか、ルーパート、皆も。ルーパートが変身も、元に戻ることも、もう少ししっかりできるようになるまでは。家の中か庭で、誰か大人もいる状態で遊びなさい」
「あい!!」
『『『はい!!』』』
返事をした時でした。ポンッ!! 僕は人間に戻っちゃったよ。まだみんなとお話ししたかったのに。
僕が人間に戻っちゃって、僕とお話しできないから、魔獣さん達は帰るって。また僕が魔獣さんになってたら、すぐに遊びに来てくれるお約束をしたよ。
「バイバイ!! またあしょぼね!!」
『『『バイバイ!!』』』
『バイバイっチュ!!』
みんなバイバイって言ってるってお兄ちゃんが。僕は窓からぶんぶん手を振ります。
「ルーパート! バイバイはその辺にして、ちゃんとパンツを履きなさい!! 上もまだちゃんと着ていないのよ!! まったく、あなたは変身から元に戻ると、時々洋服を着るのを忘れるか、すぐに洋服を着ないで、他の事をするんだから」




