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1話 バタバタ煩い、それに黄色よりも青色が良い

「ルーパート様。朝でございますよ。お目覚めの時間です」


「……」


「ルーパート様、早くお目覚めになりませんと、朝食に遅れてしまいますよ」


「……」


「ルーパート様」


 う~ん、眠い、もうちょっとだけ寝たい。……おやすみなさい、すぅすぅ。


「ルーパート様、おはようございます。さあ、ベッドから出ましょうね」


 バサッ!! あれ? なんかブランケットがバサッ!! ってした感じがする。でも僕はまだおベッドの中だよね? じゃあ、やっぱりまだ寝てても大丈夫?


「……ルーパート様?」


 バサバサッ!! バサバサッ!! う~ん、今度はバサバサ煩い。何バサバサしてるの?


「ルーパート様……、ルーパート様!? 大変!? ルーパート様が!? 奥様!! グロリアメイド長!!」


 バタバタバタッ!! もう、バサバサの後はバタバタ? 何で煩いの? 僕、眠いから静かにして。あっ、静かになった。おやすみなさい、すぅすぅ。


「何ですか、朝からそんなに慌てて」


「す、すみません!! ですがルーパート様のお姿が見当たらず」


「フレデリカ、きちんとブランケットをどけて確認したの?」


「はい、奥様、めくって確かめたのですが」


 ん? ママの声?


「ルーパート、どこにいるの? ママよ。さぁ、朝だから起きましょうね。……確かにベッドの中にいなさそうに見えるけれど。ただ……。フレデリカ、本当に全てを確認したの?」


「は、はい奥様!!」


「フレデリカ、完璧にブランケットを取ったのではなく、そこら中、無操作にめくったのではなくて? たぶんこの塊よ」


「へ?」


「フレデリカ、へ? とは何ですか!」


「さぁ、ルーパート、起きましょうね」


 バサッ! わわっ!? 眩しい!? 僕は眩しくて目を隠そうとしたよ。ん? あれ? なんかいつもと違う感じがする?


「ふふ、今日は可愛いい小鳥さんになってしまったのね。さぁ、ルーパート、目を開けて、自分の姿を確認しましょう」


「ママ?」


「ふふ、やっとこっちを見てくれたわね。おはようルーパート」


「ママ、おはよごじゃいましゅ」


 ママが僕を抱っこ? して、どこかに運んでくれます。たぶん抱っこ? う~ん、なんかいつもの抱っこと違う気がする。


「ママ、ごはん?」


「ええ、ご飯よ。ただ、その前にあなたは元の姿に戻れるかしら? まぁ、ダメなら食べられるものだけ食べておいて、後でまたご飯を食べれば良いわ。ただ、下手をしたら1日この姿だものね。小さい頃はどうしてもね。私としては、可愛いルーパートが見られて嬉しいのだけれどね。さぁ、ルーパート、鏡を見てみて」


「かがみ? ……ありゃあ、ことりしゃん」


「そう、あなたは今、小鳥さんよ」


「ママ、きいろことりしゃん!! あおいろじゃない!! ぼく、あおいろがいい」


「ルーパート、問題はそこじゃないのよ」


 鏡に映ってる僕は、ママの手のひらに乗っていて、それから黄色の小鳥さんでした。僕、青色の小鳥さんの方が好きなのに。この前は青色小鳥さんだったんだよ? 残念。


「フレデリカ、ヴィクトルを呼んできてくれるかしら」


「は、はい、すぐに!!」


 バタバタバタッ!! あっ、さっきのバタバタと同じ、さっきから騒いでたのフレデリカだったの? 廊下は静かに歩かないといけないんだよ?

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