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『最期の砦——まだ誰も知らない真実へ』

——どうしよう。

とある少女は、悩んでいた。

物置部屋に来た時、クロトにこう耳打ちされていたのだ。


『今から現れるやつは女王陛下だ。だが、彼女は何かを隠しててな——彼女の心を揺さぶるには、なんかこう……ナイトメアに食われててもう絶体絶命! みたいな? そういう演出が欲しいんだ! お前なんかビビりだし、ちょっとオーバーリアクションしてもバレないからナイトメアに襲われて狂ったフリしてくれ』


……そんなことを言われてから、完全に起きるタイミングを見失ってしまっていた。


ようやく、私を隠した木箱にクロトが近づいた。


「あ。もうお前起きていいぞ。——うん、まあ良い演技だった。でもあの演技って、本当に狂ったやつじゃないとできない気が——」


私は、彼の頬を全力で引っ叩いた。


「——振られてしまいましたね。かわいそうに」


少女は怒り、少年は泣き、王女は笑った。



「——ナイトメアが来るには周期があります。上弦の月、下弦の月、そして——新月。今回はもう上弦の月が終わりましたので、新月まで25日前後ありますが……あと1ヶ月もない間に、どうやってナイトメアを食い止めれば良いのでしょうか?」


「うーん……」


3人は、残されたナイトメアを倒しながら前に進んでいく。けれども倒しても、次の下弦の月で復活してしまうため、根本的な解決にはならない。



「そういえば、今朝は晴れていたのに、なぜ今は曇り空なんでしょう?」


「ここは年中曇ってるんだ。正確には、スプリニスって国全体がドーナツ型に曇りに覆われててな、街の中心だけ光が差すようになってる。昔は国の中心にある時計台の影で時間を読んでいたらしい」


「——ナイトメアが襲うのは、必ず夜ですね。雨が降るとナイトメアの復活が早まることもありますし……」


ミローザは、何か手がかりがないかを探しながら言葉を紡いだ。


「この、等間隔にある大きな塔はなんなのでしょう? 上が曇っていて、ちょっと塔かも怪しいですが……」


「昔、ここには風の民がいたって話を聞いたことがある。でも住んでいた痕跡が見つからないってことは、たぶん何かを隠してるんだろうな」


「——五つの星は、何か関係があるんでしょうか?」


「五つの星は、四つの都市国家——スプリニス、サマーレ、フォールジア、ウィンタリーズの方角を示している。それと、最後の一つはスプリニス国王が即位する際に受ける通過儀礼、“最期の砦”の方向だ」


「でも、ミローザ様は受けていないんですよね?」


クロトが、ちらりとミローザを見た。


「……はい。受ける余裕なんてありませんでした。——でも、なぜ今までナイトメアは現れなかったのでしょう? もしかしたら、砦に止める方法があるのでは……」


彼女は地図を見つめる。


「ここからなら、さほど遠くありません。……一度、試してみる価値はあります」


こうして、ミローザ一行は“最期の砦”を目指すこととなった。


——けれど彼らは、まだ知らなかった。

砦の扉が開いた時、“真実”の一端が顔を覗かせることになることを。

第四話を読んでいただきありがとうございます!

ここまで読んでくれるなんて本当に神です!!

次は本格的に解決への道を歩んでいきます。

お楽しみに!

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