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黙龍盲虎  作者: 白玖黎
3/3


 あのとき百里(ひゃくり)(じゅつ)を刺したのは、船に積まれた木箱のなかでじっと機会を(うかが)っていた胡珀(こはく)の片割れだった。

 船舶(せんぱく)が停泊すると(りゅう)子君(しくん)は一時的に拘束(こうそく)されたものの、胡珀の証言により無実がわかるとすぐに開放された。


 対して後日、百里家の屋敷から密造された煙幕(えんまく)と火器が大量に見つかったことで、彼らこそが一連の騒ぎの犯人だと露見する。

 百里一族は元宵(げんしょう)の酒宴にて、国主を(おとしい)れる計略を(くわだ)てた罪で捕縛(ほばく)された。

 かくして、故事に残る黙龍(もくりゅう)盲虎(もうこ)は皇帝の暗殺を未然に食い止めたのである。




 ――と、いうことになっている。


 何も書物に(つづ)られた内容だけが真実であるとは限らぬ。

 彼らは互いを認め合ったわけではないし、助け合ったわけでもない。

 しかし結果として目的は果たされ、故事として後世に残されるのならそれもまた天命。


 時代を超えて語り継がれていく彼らの物語の一興(いっきょう)であろう。


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