表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

① 「プロンプトエンジニアリング」を目指していく

質問者:今回は「人類上位10%」になる方法とありますけど。エンジニアさんになるお話なのですか?



筆者:あぁ~なるほど、そういう見方もありますね。

 確かに一見するとエンジニアになることができれば「AIを支配する人間」になれそうな印象を受けますね。


 ところがどっこい。既にですねAIが作成したプログラミングにおいて人間の偏差値50程度のシステムでしたら容易に造ることは可能みたいなんですよね。


 実際に対話型AIであるChatGPTではプログラミングも上手くチューニングすれば可能のようですし、既に人間の能力は“AIを補助”する段階に入っています。


 つまり、並みのエンジニアさんでしたら2040年にはほとんど淘汰されてしまうような世の中になってしまう可能性と言うのは大いにあるのです。


 ゆくゆくはAIが自立して活動をし、あらゆる人間の仕事を代行するようになってくれればベーシックインカムと言った形もあるかもしれませんが、それに至るまでの過程はまだまだ遠いでしょう。


 まずはAIに仕事を取られないように人間は頑張っていく必要があると思います。



質問者:えっ……既にAIがシステム開発までできるだなんて、かなり驚きです。というか、今現在AIが何が出来て何ができないのかおぼろげにしか分からないのですが……。



筆者:僕はAIの専門家ではありませんが、かなり興味がありますので今どの程度のレベルであるか今回自分なりに力を尽くして色々と調べてきました。


 勿論、1人でやっているので力不足のところもあるかもしれないのでそこのところは多少目をつぶっていただきたいのですが、漠然と情報を追っている方よりは詳しい自信があります。


 更に詳しい事は専門家の方に任せたいと思うので、中級者ぐらいまでの方なら満足いただけるレベルだと思って最後までお読みいただければと思います。



質問者:分かりました。それで今、どれぐらいの実績をAIは成し遂げているのでしょうか?



筆者:まず、最近話題になっているChatGPTについて見ていこうと思うのです。

しかしその前に、ChatGPTを始めとした対話型AIについて一つ注意しておきたいことがあります


 対話型AIは完璧な答えを出すものではなく、統計的に人間と自然な会話のように論理立てられたように見える回答をしてくれるツールですのであくまで会話道具として存在しているのです。

 つまり、検索エンジンを使って答えがパッと出てくるタイプではなく使用者が調整しないといけないものなのです。



質問者:そうなんですね。検索エンジンですと同じ言葉を検索すると大体同じ結果になると思うのですが、対話型AIと言うのはもしかすると異なるんですか?



筆者:そうなんですね。ある程度“変数“を入れることによって答えの仕方が少しずつ異なる特徴を持っています。

 というのも「文の始まりから、次に来る可能性が最も高い単語を予測していく」という仕組みになっているようで、その上で100%同じ予測と言うことにはならないみたいなんです。


 そのために逆を言うと一般的な検索エンジンであるような“知識”に関する疑問に関しては不正確な結果を伴うこともあるので、検索システムとしては使うことは出来ないのです。



質問者:具体的にはどのようなことが対話型AIに一番向いているのでしょうか?



筆者:ソフトウェア開発者でブロガーのSimon Willison氏によりますと、


・エッセイを与え、その内容を要約させる。

・特定の文章を与え、その文章に含まれている情報について質問する。

・記事において示された事実を箇条書きにするよう求める。

・文章をよりパンチの効いた、あるいはプロフェッショナルな言い回しに書き直させる。

・「○○を示唆する言葉を教えて」と質問し、優れた類義語辞典として利用する。

・「この文章を17世紀の海賊風に書き直して」「この文章をラップバトルにして」など、文章を扱う楽しくて創造的な遊びに使う。


 と述べています。簡単に言えば得意な分野は“要約”や“書き直し”と言ったところでしょうか?


 また、プログラミングの作成や作詞、論文の作成なども上手い事誘導することによって質の良いモノを作ることができるようです。


 アメリカ大手メディアNBCの2023年1月24日の記事によりますと、

 ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのChristian Terwiesch教授がChatGPTにMBAの最終試験を受験させたことを報じました。

その試験結果は、同AIがB-からB程度の評価を得て見事合格レベルに達しています。

 

 またアメリカ大手メディアABCは2023年1月12日、同AIがアメリカ医師免許試験を受験した場合、50%以上の正答率となり「合格圏内」に入るという研究結果を報じているのです。



質問者:それは凄いですね。外国の大学について私は疎いですが、それでも知っているような大学で合格レベルに達するほどとは……。



筆者:そうなんですよね。ただ、この対話型AIにつきましてはセキュリティについて脆弱性があるようなので次のような記事も存在します。


 朝日新聞2023年4月11日の『ChatGPT活用、西村経産相「考えたい」 国会答弁作成を念頭に』 と言う記事によりますと、


『西村康稔経済産業相は11日午前の閣議後会見で、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」について、さまざまな懸念点が解消された場合には「国家公務員の業務負担を軽減するための活用の可能性を是非追求していきたい」と述べ、国会答弁作成への利用を視野に入れていると明らかにした。』


 とあります。

 しかしながら西村大臣の発言を逆に解釈するとセキュリティの問題をクリアすれば、官僚などの負担軽減のためにChatGPTを国会でも活用すると言うことを意味します。


※現在ほとんどの国会答弁などは官僚が作成しており、国会が開かれている間の担当者はかなり過酷な労働を強いられています。



 その他にもエクセルの計算式や、作詞、小説を書くことなどが可能になっています、

ChatGPTは体系付けルール付けされていることは特に得意であると言えますね。



質問者:ふぅん。それだけできるなら凄い感じがしますけど――どうにもそう使える気がしません。



筆者:そうなんです。最初にも申し上げましたが、ChatGPTは“使い手次第で結果が大きく異なってしまう”ということなんです。


 これまでのAIは将棋ソフトをインストールできれば誰でも同じ性能を出してくれるタイプでしたが、これからのAIは“使用者側の能力”というのが如実に問われてくるのです。


 こうしたAIに対して質問や入力内容の検討・インプットを行いAIの力を引き出す人のことを“プロンプトエンジニアリング”と言ったりします。


 従来のエンジニアさんはAIシステムやモデルを構築するお仕事ですので、ITへの理解、データサイエンス、機械学習などの分野でのバックグラウンドなどの知識が必要でした。


 勿論、プロンプトエンジニアリングにおいても前提知識が全く無駄になると言うことはありませんが、従来と全く同じアプローチではいけないと言うことです。



質問者:なるほど、AIが人間を上回っていく以上は、それをうまく“引き出すための力”と言うのが問われていくわけですか……。



筆者:そうなります。では次の項目から具体的にどう言う能力がAI時代を生き抜くために必要なのか見ていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ