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はじめに
この物語を書するにあたり、僕と吸血鬼(以下、バンパイアとする。)の描写について、一切の嘘偽りはないことを断っておく。
これから言葉を紡いでいく物語については、僕が大学時代に経験したことの全てである。バンパイアという特殊な存在と出会い、別れるまでの長いようで短い物語を、僕はここに記す。
僕とバンパイアは共に生き、共に泣き、共に笑った。そんな僕たちのことを、この物語を読んだ諸君はどう思うだろうか。それにしても、ただ一つだけ確実に言えることは、僕の前にはバンパイアがいて、バンパイアの前には僕がいた。
バンパイアは生きている。ただそれだけの事実である。