↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
本編 ゲームの章 若葉マークの冒険者
50/2602

-17話 とあるミミックの話Ⅲ-

 心配になってこっそり角から見ているミミックの傍に、大剣を携えた重戦士が蓋をかるく撫でに来た。

「悪いな、心配かけちまって。だが、大司祭が本気になると怖えーんだぜ!」

 と、苦笑して見せた。が、きっつい視線を返す大司祭の前に皆が絶句。

「そこ、後でお仕置きが必要かしら???」


「い、いえ、な...なんでもありません!」


「じゃ、タンクの子たちよろしくね」

 大司祭の合図とともに重装騎士が大盾を構えて、死霊騎士デスナイトの攻撃を全部受ける隊形フォーメーションを組む。



 これを後方で見つめる管理者には、漸く安堵の色が浮かぶ。

 時間さえ稼げれば、ダンジョン組合の救援を期待できるし、その為に苦しい窮状の中でも頑張って保険料を支払ってきたのだ。その見返りを求めて悪いはずがない。

 まあ、実際に組合がどのような処置をするかは不明だった。

 そもそも、ダンジョン運営はグレーゾーンだ。

 管理者の名前ネームはオレンジ色に変わっているし、これの理由がMPK(monster player killer)をしているというシステム上の判断だ。ただ、ダンジョン経営ができる時点でグレーだと言われ、これが明確な違反ではないところがまた、怪しさを引き立てている。

 管理者のもつ危機感というのが、オレンジ・ネームになった事によるPKK(Player Kill Killer)されるという恐怖感だ。MPKをしておいてPKされることへの恐怖というのは、ちょっと虫が良すぎる話だが。

 ネームの色が変わった時点で付いて回るデメリットという事だ。

 

 通常の冒険者プレイヤーがPKされると、被害届が自動的にギルドの最新ニュースとなって掲示板に上がる。この被害状況に合わせてプールされている保険料や、討滅クエストとしてPKを実行した冒険者プレイヤー名が晒される形となる。

 PKKとは、名前ネームの色が変わった冒険者を狩る者たちを指す。


 では仮に、PKKが成功した場合、オレンジ・ネームはどうなるのか。

 当然、罪状に合わせて監獄へ送られる。PKされた冒険者は状況次第で、ふんどし姿で辺りを走り回ることになる。もしも、死んでしまったら最寄りの教会に送られて蘇生される。だが、落としたアイテムを回収する為に結局は、裸で走って現地に戻らなくてはならない。

 PK、MPKは裸で監獄に送られ、刑期が終わるか脱獄するまで専用クエストを受ける羽目になる。

 嬉々として監獄に送られる冒険者も多くはない。


 だが、資産没収というデメリットを受けて喜ぶほど、この管理者はマゾじゃないということだ。

 枯渇してたMPが漸く回復の兆しを見せ始めた。

 まさかすっからかんにされる相手に出会うとは思わなかったと、彼は額の汗を拭う。

「どこのどいつかは知らないが、俺のダンジョンで好き勝手しやがって」

 管理人部屋へ戻る途中、何か不気味な雄叫びを耳にしたような気がした。

 振り返ると、死霊騎士が木っ端みじんにはじけ飛ぶ瞬間を目撃する。

「!?」

 骸骨重装騎士シールドガーターもはじけ飛び、骸骨鍛冶師らが『分が悪いんで』と軽く挨拶をして、逃げていく。弓兵は降参し、歩兵らも槍や剣の柄に手を置く寸前に武器を棄てた。

「な、なんだ、なんだよこれは!?」

 管理者が戦場に戻ると、ピンク色の短髪シャギーで2本の癖毛を揺らす少女が立っていた。

「お前は誰だ! 何で俺の...」


「依頼で来たんだけど? あなたが無のな管理者さん」

 管理者の目に飛び込んできたのは、カボチャ頭の首なし騎士の意匠。

 カラーネームに容赦をしない“ザボンの騎士”のものだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。