- C 1353話 農民プレイの、1 -
生産拠点を確保し、その場を維持する。
農民プレイでもヤることは多岐にわたる――クランとして必要最低限の人員の確保は優先事項だ。
最低でも10人は確保しなくてはならない。
デイリークエストを回すために必要不可欠な最低限の人数だからだ。
農民プレイは一種のプレイヤーの縛りであって、ゲームシステム上のPKとなんら変わらない。
PvPに参加しなくても、ゲーム内で取引される暗号通貨を(楽して)稼げる上に、納品クエストを毎日3種類、7日最後の日に発生するボーナスクエストの消化だけでお小遣いも稼ぐことができる。
まあ、話を聞いた限り美味しそうと思っただろう。
だが、そう上手くは回らない。
あくまでも最低10人の確保は必要だが。
PvPがおっぱじまったエリアに出向き、そのエリア内にて必要な軍需物資を納品するという手合いのクエストが1日に1回は生じるからで。いや、そもそも論か、PvPvEのゲームシステムで一切戦わなくてもいいよってスタンスの問題があるか。
こいつはシステムの穴だ。
抜け穴だ、抜け穴。
フレーム専用の鍛冶職人があるように、修理職人っていうスキルが用意されてて。
衛生兵の一部がだなあ。
『これ? わざわざ戦場でキルデス献上しなくても良くね?』
とか気が付いたプレイヤーからはじまったとされる。
みるみるうちに広まった。
戦いたくはないけど、お小遣いは稼ぎたい。
あるいは...
システム上最高の武具をつくってやんぜよ!
という猛者も出てきた。
アイテムの売買ができる時点で、自分で素材を集める必要性もなくなり。
あーあれだ、冒険者ギルドが仲介者となって『市場』ってのも作られた。
今や色んなもんが冒険者ギルドの掲示板で取引されている。
フレームの壊れたパーツに、
スクロールとか、
PKの落とし物に、
PKそのもの...
イネ科の種子、
麦が育つか大麦か或いはコメか、植えて芽が出るまで分からないランダム種子。
これが農民の間でバカ受けしている。
あとは、軍票だな。
大規模戦の戦利品で貰える半券みたいなもんで。
開催のナンバリングがあるので混ぜて使うことはできないけど。
同じ開催期で残り数枚って雰囲気のであれば喉から手が出るほどに需要はあってだね。
農民プレイヤーの頑張りはこのためにあると言っても過言じゃなく。
「1枚100Mか、高いなあ」
掲示板の前でがっくりと肩を落とす青年があった。




