- C 1352話 そういえば、2 -
衛星に映り込む島は、大きい。
北極点が星でいうつむじみたいなものだとすると、ほどよく近くにあって。
グリーンランドにも匹敵する大きさがある。
肉眼では消えたり、うっすらと浮かび上がったりと蜃気楼のようだけど。
光学カメラで通してみると――。
磁気嵐の向こう側はよく晴れた、異常という他の無い景色が広がってた。
見える場所はこう、スライドでも見せられてるが如く。
シーンの切り替えは15秒に1回。
中南米のような原生林の密度が濃い緑地、もはや海と言って差し支えないだろう。
次に、
極地、永久凍土もありそうな標高の高い山岳地が見える。
大陸と大陸が互いにぶつかり合って、一方が上に一方が下へ、入り込む事によって大地がせりあがる理屈からするとこれは非常に異常としか言えない光景だ。
5千、6千メートルは超えるであろう頂を持つ山々が連なる地形。
興味というより驚異をくみ取った。
次に、
ただひたすらに大平原。
かつてはあったであろうモンゴルの大草原や、アフリカのサバンナのような。
異常気象により今では人工かつ管理された区域以外では、草原さえも自然に見ることが出来ない。
それが、スライドの15秒間だけ見ることが出来る。
アレは?! もしや絶滅したシマウマですか!!!!
次に、
水没する前には各地にあった湿原のようだ。
淡水動植物の宝庫だとか。
豊かな水源は文明の発展に欠かせないと聞く。
人類が好きなように生きてきたツケが今の子供世代に引き継がれてしまっている。
しかし、あの嵐の向こう側にはそれ以前の恵み豊かな自然の姿があった。
見れるだけでも心が豊かになる。
学習用教材のVRでも、百数十年前の恥丘、もとい『地球の姿』ってのがあって。
あの頃は良かったねって声が聞こえてくる。
◇
手を打てるターニングポイントってのはいくつかあったと言われてる。
超大国の我儘さえなんとか出来たら。
そりゃ無理だ。
かつて帝国なんて自称した連中に、敵わなかったから世界に最大版図を築かせたんだ。
超大国が世界の中心になる。
何年、同じ歴史を刻んでんだよ。
っ。
まあ、フロンティア・プロジェクトのミッションは現在進行形だ。
手が届かないものだって頭でわかっていても。
この時代の人類には数百、数千年前からのアプローチだとしても、どうしても自然が必要なのだ。
各地にはドーム型の人工居住地があり。
地表は夏50度を超え、冬は逆に-50に相当する。
人類は地下に逃げ込み、リサイクルで食い繋いでいた。
かつてあった豊かな動植物も、地下の埋没シェルターでしか棲息できない環境。
だから、あの島がどうしても必要なのだという。
これは――
国連を通じてかの合衆国が提唱した理屈だ。
そこにある原住民の意思は無視なのかな?




