- C 1342話 死地から脱出せよ 2 -
死地だと悟ったのは。
内陸部へ深く侵攻し、補給線を完全に絶たれたとこからだ。
右軍、央軍、左軍と分かれた先鋒組は――
それぞれ脱落者と戦死者を出して2~3割の損失に留めていたから大健闘していた。
ただし、備蓄の物資の方はそうはいかない。
参加しているのは憂国軍所属の職業軍人だけではない。
この状況下で最も信が置けない傭兵が友軍陣地にある――立場上、傭兵だから金に浅ましく、汚く忠節に厚くないというのは聊か穿った見方かも知れないけども。いやいや守銭奴だと思って接していた方が、がら空きの脇や背中を刺されずに済むということ。
まあもっとも。
憂国軍所属でも似た扱いになる場合も。
とんだ忠義心だが。
◇
野営地にて陸上戦艦のリソースを確認しに老連なる将が訪れた。
訪問先で待ってたのが央軍・兵站部長と、各班長たち。
みな険しい表情で硬い。
「ご苦労、休め」
言葉と共に強張ってた緊張を解いて見せた。
けど過度にではなく、所々に。
「悪い知らせですが」
頷き、続きを待つ。
「弾薬の方が枯渇します、もって3戦が限度です」
戦闘をしない方針に切り替えて以降は、専守防衛に努めてきた。
ゲリラのように散発した小競り合いだけの戦いに終始しているのだけども、濃緑な密林地帯から野生動物のように忍び寄ってくるような襲撃は心身ともに擦り切れる。ここで思いっきり溜まった鬱憤を発散するように戦闘が出来れば、またひとつ違うのだろうけども。
そうするほどの余裕は、この央軍にはない。
また、央軍が後退する集合先に一番乗りをして、左右の軍のための陣地つくりが必要で。
そのための施設があるからだが。
これも思ったように行動できないでいた。
どうも、こちらの動きが読まれているか。
「バレているか」
唐突に呟いてしまってた。
兵站部には与り知らない事だけど――「バレて、ですか。こちらも執政官殿から物資の代替となる、例えば食料になるであろう物資について伺っていましたが。どうも自生はしていたが、刈り取られた後のような痕跡が見つかっています」
初耳だ。
いや。
何となくそんな気がしていた。
少なくとも。
水源や或いは肉などはどうにか現地調達が可能だが。
果物類は怪しい。
「このままでは陸上にあってライム病になりかねん」
笑い事ではないらしい。
「食料の備蓄も気づかれないよう、すでに少しづつ配給を抑えたりなどの処置は取らせて貰っています。コンバットレーションとポーション、MPドレイン・エナジードリンクなども支給には細心の注意を図っている次第。あとは...」
フレームへのリソースだろう。
アレにも燃料という概念がある。
島の空気中に含有されたマナはそれなりの濃度があって、専用のリアクターを通せば、半永久的にフレーム・アーマーの起動に必要なエネルギーの確保ができる。
しかし戦闘直後では明らかに枯渇しているようだ。
そのために予備のバッテリーがあるんだが。
「ため息しか」




