- C 1337話 大遠征と消耗戦 2 -
実は執政官に属するのは眷属以下配下の者だけでなく、人類サイドにもあった。
ゲームプレイ側からすると『よく喋るNPCだなあ』くらいの甘い認識と、『勘のいいAIですね?』とズレた感覚に合ったんだけど、ソコは傭兵だね金額と折り合いがつくというのならで、スパイになることに二つ返事で了承してた。
と同時に――かれらはすぐに憂国軍の諜報部にも所属している。
これは執政官側の戌組が把握した。
「二枚舌ですかねえ」
執政官マーガレットの方は『逞しくて結構、いあ大いに結構なことじゃないか!!』だって。
何をもって裏切りというのか。
信を寄せて骨の髄までべったりとしてて。
いざ心酔しきったところに冷や水をぶっかける行為か。
あるいは...
さて、最前線では孤立という状況が浮き彫りになった。
少なくとも早馬、早烏に電信などのツールで後方の列に連絡を取ろうとしたのだけども。
戻ってくる気配がない。
各攻略部隊は3隊。
陸上戦艦に激しい攻防の傷跡が残ったのは、クレイル辺境伯領方向の密林地帯。
正真正銘の王国領だから頑強な抵抗にあった。
王都に向かった領主に代わり、代官として着任してたのは元王国禁軍の将軍にだった老兵で。
公主の下で執事になってた者だ。
というか執事は見習の域を出てない。
「これは図らずも、ですか?」
公主の領土に攻め込む行為だが。
執政官も伯爵令嬢を見てた、流し目で。
「公主を迎え入れたのは父のせい。かつてのアップルクロス伯領は、初代から数えて6代近くはずっと、ずぅーと領地切り崩し御免状って認可が王国から得て、朕の目から見ても阿保じゃないかってくらい土地を耕していくことに心血を注いでいったわ。自分らで、守り切れるのかも分りもしないでせっせと、ね」
コクコク頷くクランたち。
昔語りしている令嬢はメイド服なので、たぶん、別の仕事があるに違いない。
「そうして今の倍、いえ、3倍近く、収益は計り知れず」
ああ、なるほど豊かになり過ぎたのか。
と、なると先々代女王かその前王あたりかに脅されたな。
言葉に詰まってたけど。
令嬢は、
「――っ、あの土地が公主とはいえ、こちらを親類とも思っていない女と新しい家に奪われたままではこの、こ、こんの(ぐっと締め付けられたエプロンドレスの腹のあたりをコネコネ揉み始めて)えっと、そ、そう、そうだわ!! わたくしお買い物に行かなくちゃ」
咳払いしながらその場を後にした。
ようやく自分の立場に気が付いたのだろう。
どたばたと...
館の外へ逃走したような感じだった。
「本当ですかねえ?」




