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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2484/2516

- C 1335話 大遠征が始まった 5 -

 緊急クエスト『戦場にかける橋作戦・物資を最前線へ』が発動する。

 納品クエストのライブスタイルで。

 穀物百樽を〇K必要とか、具体的な品目が毎時更新される。

 時間内で過剰納品になると、交換レートが1:1で固定されるあまり旨くないイベントなんだけど。

 常駐して張り付いているクランの場合は初手で大儲けできる。

 一部の廃クランはお祭り騒ぎだ。


 弱小クランがこれの裏をかく。

 バザー売りだな。

 納品会場前で陣取って、フリマを開いて待ち受ける。

 当たりを付けた品は高額設定で放置。

 必要な連中にとっては額の大小じゃ無いからね。

 そりゃ安くで仕入れて高く売るは基本だけど、納品クエストで得る功労と軍票は別の話。

 余った軍票もいつかは最悪、100Mいや、1000Mほどの値が付くかもしれない。

 あと1枚で、あと数枚で、天井まで引けるとかガチャの話だけど。

 そういう事が無いとも言えない訳で。



 納品会。

 普段は大人しい農民クランもこの時ばかりは野獣、いや、これは肉食の猛獣と化す。

 ここは別の世界の戦争だよ。

 さあて、今日のバザーは何が並んでるかなあ。



 普段の局地戦や準備を進めて行う超大規模戦は簡単に言うと『消耗戦』だ。

 最前線のランカーはキル数で優劣を競い合う。

 有志がかき集めた物資は戦略ゲージの回復に用いられるけども、片方にキルが偏ればおのずとデスによる再出撃コストがゲージに影響して減少させる仕組み。

 ね、消耗戦でしょ。


 今回のお祭りはちょっと違う。

 どちらも目隠しスタートの遭遇戦――と、思っているのは人類サイドのみ。

「デュラハン卿から頂戴いたしました情報により、敵方の補給線。攪乱に成功いたしました」

 王国軍将校が気持ち悪いほどの手揉み&掌クルーで猫なで声。

 数日前に王都に戻った“ムツキ・ウナサカ”は、その足で陸軍に出頭した。

 脱走を疑われて、その口から仕入れたネタを吐露したんだけど。

 其処まではマーガレットの指図。

『演技はするんだぜ?』

 と口添えしたのは執事のジャン。

 陸軍は何の疑いも無くムツキの言葉を鵜呑みにして。

 成果を挙げて凱旋したのだ。





 宿舎に戻り、空虚な4日目の朝日を拝んでた。

「こりゃ驚いた?! 辺境伯領ではお寝坊さんだったダメダメな子が、どんな心境になったってんです?」

 衛兵詰め所で脅してきた人影。

 よく見れば王国軍の制服に身を包んでる様子。

「下士官だったのか!!」

 自分より階級が低いじゃないかって喉から出かかって。

 たぶん呑み込んだ。

「かりそめの姿に突っ込んでたら疲れるってもんですよ。ま、言の葉に出さなかった分、成長されてよかったですねえ」

 目が笑ってな~い。

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