- C 1332話 大遠征が始まった 2 -
プレイヤーは飢えていた。
局地戦はちょこちょこある。
高レート限定の装備品で挑むタイムアタックとか。
初期装備の大規模レイド戦はまあ、好評だけど。
地味というと地味だな。
PvPvEが得意な人ばかりではないし。
採集の邪魔になるのでどっかアリーナでも作ってやって欲しいという要望も少なくはない。
とはいえ、ねえ。
オープンワールドのフィールドで遭遇する突発性がウリなので。
PvPができない人だけの意見が通るはずもなく。
飽きてきてたようだ。
「また、大戦争もんかあ」
そんな声も掲示板に書き込まれた。
公式の方からは。
遠征が成功し、広がったエリアでは貴重な資源が手に入ります。
ってなアナウンスが載る。
遠征中はレアガチャ・チケットへの交換が可能な納品所も開き、戦争しないプレイヤーへの対応にも追われる形となる。
今のところ穴はなさそうに見えた。
◇
掲示板では相変わらず――『塞ぐ穴は無いけど、突いて広げれば穴はいくらでも』とか。
変な方向性のファンアートも増えていく。
納品所にブーメランパンツを履いた上半身マッパでネクタイだけ残した憂国軍将校が、だ。
これから待ち受ける熱い納品イベントに向けて、ビーチパラソル肩掛けに載せクーラーボックスに片足で挑んだイラストから、マツタケがぽろりで『野郎ども、欲しいもんがあればオレ様に貢ぐんだ!!』とか。
戦時ポスターも凄いもんを選んだなあって雰囲気。
これを執政官こと、マーガレットが現地で見た時の動揺っぷりは。
取り乱して手が付けられなかったという。
いああ、彼女も言うて、耐性無いからなあ。
――憂国軍からのお知らせ――
くだんの告知ポスターは憂慮の後に撤去しました。
納品所の将校さんのアレ。
貧血までに追い込まれたマーガレットの要望により破棄。
代わって、熱い納品祭りのマスコットはコウテイペンギンが務めるのだそうな。
「姫さんも案外、うぶやで?」
ポスターと、そのモデルを前に比較しあってる。
魔女の手下たちも各々でポスターを作ってたけど、コンテストでは落選してた。
「マツタケが不味いって」
うん?と皆が一斉に動き、
小さく頷く。
「いやむしろぽろりだろ! アレが無くてはタダの変態だけど、ごっつい膨らみでならワンチャンだったと思うで?!」
「どこがワンチャンだよ。軍広報部が爆笑してたってだけだろ」
背景は、いくつかのファンアートのAI処理。
オブラートに包んだら傘が開いたマツタケになった。
大遠征の影で噴出するであろうモヤモヤから目を逸らさせるのが目的だったんだけど。
その前に、魔女マーガレットが撃沈してた。




