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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2362/2365

- C 1216話 マルが士官学校にお受験する 1 -

 エルフの王国軍は四季ごとの季間入隊と、月ごとに募集が掛かる予備練兵科入隊の方法がある。

 どれも志願制が重要視されているので、強制や義務といったものとはやや遠いところにあった。


 マルがお受験するのは。

 予備練兵科入隊の更に下位にあたる、仮入隊というもの。

 毎月の志願兵が多く希望されてくるためにもう一段、仮受けみたいなポジショニングに置いて。

 少し頭を冷やさせようというものだ。

 何せ、動機が動機で。

「いつか自分もひと旗挙げて、英傑と呼ばれる将軍になる」という一攫千金から出た妄想に付き合わされているものだ。不景気だからではないが、若者たちの浮かれ熱の原因は客将であるデュラハンの『俺みたいなゴロつきでも将になれる』が背中を押しているようだといった。

 十代の若いエルフや亜人たちが面接で、そう口にしたのだから間違いはない。

 マルは模範解答のように。

「一族の命運を賭けて」

 と、説いてた。

 志願書類にも似たニュアンスの文言が並び、監督官が唸ってた。

 入らせたい本音はソコにある。

 問題は身長だ。


 受験内容は、身体の健康さと成長具合である。

 仮の仮入隊なので実のところ、一般常識程度の学力と体力さえあれば問題なく通過する。

 そう、わたしとあおいには合格通知が来た。



 マルの下には。

「選抜試験で再受験って? 何だろ???」

 わたしらに聞かれても。

 馴染の店のように。

 顔役がちょいと顔を出していくようになった頃。

 彼女のソレ。

 選抜試験会場の案内に目を止めた。

「なーいす、たいみーんぐ!!」

 戦鬼さんのノリのいい声音で、皆が訝しむ。

 悪いけど、あなたは庭の草むしりをお願いしますね。

「――なんだい? あの巨漢は、オーガとか」


「違います、違います」

 粗茶ですと副官が玉露を勧めた。

 市場で購入した客向けの緑茶だ。

 この島の何処かで栽培されてるようで、他にも紅茶とか、抹茶に、珈琲なんてのもあるようだけども。

 豆類は少し値が張る。

「マル坊と、他のみなも。俺の家業の事は裏働きしてくれてるから」

 分かってるだろうがって続く。

 顔役のソレもマイルドに表向きの他所他所しいもので。

 裏社会の頭目という位置づけだ。

 マルは、それを知ってもなお、顔役が持ち込んだ案件に深く問わずに解決策を案じた。

 ま、片付けて上げたのだが。

 それらの功績はボスから、依頼主へ包み隠さずに挙げられてた。

「まあ、他言無用って流れだったから話すことじゃあなかったな」

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