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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2360/2362

- C 1214話 英雄の凱旋 4 -

 三英傑と持て囃される、3人に面識以外の接点がない。

 首なしの将は、デュラハンのフレームのままだし。

 ウイリアムテル風味な弓使いもソロプレイ。

 絡んだ仕事と言えば、間接的な『リアルタイム・キルアタック・ジャッジ』くらいか。

 誰が如何ほどの“首級みしるし”を挙げられるか。

 なんて幼稚な競い合いをしたくらいだ。


 ナイフ使いはアーサー卿で『勝利宣言した』。

 いあ、正確には「アーサー卿が3人分の首級に匹敵するから」勝ちだと宣言したのだ。

 ま、まあ。


 首なし騎士は撃退されて脱落したし。

 弓使いも開戦途中から狙える獲物が射線から消えたので、それ以上の戦果に繋がらなかったと。

 言い訳はしてた。

 言い訳はしたけども、3人分には納得しなかったので。

 この度の合戦はイーブン。

 というか『無かった』ことにされた。



 また、3英傑には明らかに序列がある。

 ほか二人。

 デュラハンと、ウイリアムテルは王国が直接抱え込んだ、自前の兵であるのだが。

 ナイフ使いだけは傭兵として雇ってた。

 王国との繋がりのあるところからの紹介だという。

 宛がわれた部屋に転がり込むなり、

 着用してた鎧をひとつ、ひとつ脱ぎ散らかして逝って。

 最後、とうとう安っぽい布一枚になってベッドに沈んでた――鎧を拾い集めるのは修道女さんだ。

「おつかれさまですね、アルファさん?」

 修道女に声を投げかけられた、ベッドに沈む頭からアホ毛が上下に動いた。

 声音はふかふかのベッドに埋もれて。

「このナイフはあなたの獲物でしょう? 研ぎに出さなくても」


「んー、いい。それは自分で。柄の方も巻き直しや、仕立て直しが必要かもだから他人に触られたく...うん。ないかな、この世界の刃物って――」

 言葉の最後が聞き取りにくかったけども。

 修道女さんは脱ぎ捨てられた服も畳み直して。

「普通ならば鍛冶屋に。武具屋や防具屋ってマイスターごとに店を分かつのもあるでしょうけど、大店おおだなになると財力にものを言わせて何でもヤるもんですよ。抱える職人が多ければ、わりと量産品になりがちに」

 ふ~んって声が天井へ。

「乳布まで床にありましたが?」

 拾い上げた修道女さん。

 脱ぎ散らかしたナイフ使いの視線がそれぞれ交差する。

 片や布。

 片や乳。

「うわわわ!!?」

 パンツまで脱いでたら。

 いあ、それは流石に緩すぎる。


 そんな緩い人にアーサー卿が串刺しにされたとか、悪夢でしかない。


 研ぎ石に、水桶、整え石も持ってくる修道女さん。

 下着姿でナイフを解体するAさん。

「派遣されて最初の大戦おおいくさでしたが?」

 島での決着も道半ば。

 とはいえ。

「――あちらは、デルタに任せておけば王国の機先は断てる。それよりも東の商業国家で」

 すっと視線を修道女に向ける。

 おっと、言葉を間違ったようだと気が付く。

「えっとですね...」

 言葉に詰まるところじゃないんだけど。

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