- C 1211話 英雄の凱旋 1 -
超大規模戦は7日の間に7回行われた。
参戦するプレイヤー側には『戦功』ポイントが与えられ、その1日におけるデイリーランキングと、1週間後の総合ランキングに大きく関係し、上位ランカーには特別な褒賞が待っていたわけだ。
何が特別か?!
勿論、上位10名は王冠付きランカーとしての栄誉。
ステータスには『第〇回・超大規模戦の英雄』として記念バッジが輝く。
参加総数分の10人までという本人には兎角名誉でしかなく、三桁、四桁、五桁となると、ただの死体蹴りにしかならないというハラスメントなわけだが。
その他の商品も豪華だった。
まずは、
1つ目。
リアルマネー500円(税込み:600円)で購入する『SSRガチャチケット』、総合10位以内であれば全員10枚が確定で貰えることになった――と、いうのも。期間中にアクシデント(原因が不明なんだけど、ダークエルフ側に驚異的なレベル差の災害が発生したためで、お詫びだ)があって急遽、この処置となる。
以後、総合50位までなら5枚、送られている。
2つ目。
特大金貨10枚(アイテムドロップで獲得できる金貨の欠片を集めると、勝手に溜まる用途不明だった金貨)で購入できる『福引券』が20枚配られた。現物支給か否かで会議が躍ったという裏スジの話が聞こえたけども、とことん運任せが遊びじゃないかってことで配られたよう。
福引券からは、特賞で『SSRガチャチケット』、1等で『伝説級』の武器と鎧の何れか、2等で『SSR強化素材』、3等で『SRの強化素材』と続く。
レアリティアイテムの入手難易度は高く、イベント内でもカード上限でスタートラインという噂がある。
ゆえに、SR、SSRの強化アイテムは貰っても。
ランカーでさえ持て余す、パチンコ屋の景品以下だった。
換金所があるので、
適正価格に変換してくれる。
さて...。
◇
他人種族の祭りの話はこの辺で。
参加してくれたプレイヤーのみんさん、ありがとう――な雰囲気が運命の女神からの謝辞。
ダークエルフ側も大騒ぎで凱旋してきた兵士たちを、支配地域の濃いところで花吹雪が舞っていた。
人類のサイドでは辛勝。
守備側であったエルフたちにとって、(今までが)苦しめられてた状況だったので。
久しぶりの大勝だったようだ。
その反動だろうか。
エルフの子供たちも帰還した州兵と、辺境伯の傭兵たちに花束を贈ってた。
そんな行進に例の3人が目撃された。