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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2352/2364

- C 1206話 マルのお散歩 1 -

 アーサー卿とカエデ一行の王国調査は、暫く大規模戦ウィークで足止めとなる。

 合流したてのソロプレイヤーを大所帯なパーティーの水に馴致させなければならない。

 その後は対策と攻略になるだろうか。

 出る杭は打たれたので、再びナイフの死神と遭遇する機会は薄い。

 いや、首なしの騎士は撃退され。

 『オナガザル』を駆ってたプレイヤーとの接点がある“ふたり”は対象かもしれない。

 いや、それよりも情報収集が先になるだろう。



 マルの方――王都の城壁の外にある、外都区じょうへきの街について念入りに調べる毎日だ。


 学校では見せない貌。

 メモ魔だったり、厄介な旅行者ぽかったり。

 NPCの街。

 プレイヤーが闊歩していない分、新鮮かつ...

 ちょっとひとりでは歩けない雰囲気。

 戦鬼さんに身バレしたマルは肩の荷が下りたのか。

 住人と同じ格好、

 フレーム似の装甲を展開せずに散歩する。


 驚いたことに。

 ダークエルフたちの当たりがいい。

 戦鬼さんたちに姿を晒したときは、人として認識されたのだが。

 こちらの鏡で己の姿を再確認すると“エルフ”だった、しかも新種の、丸耳ひらたい顔族。

 よくある倭民族のソレに褐色のレイヤーを重ねたような雰囲気。

 恐らくはバリエーションがAI処理でも面倒になったのだろう。


「何をそんなに調べてるの?」

 あおいが洗濯物を抱えて部屋に戻るトコ。

 帰宅したばかりのマルに声を掛けた。

「孫子だよ、知ることで状況を識るになる。次のアクションを起こすのに大事な手を探してるのと...あとは日課。引き籠もりニートなのはハナ姉でボクじゃないし。遊び場が無いか足で探すのは嫌いじゃないんだよ、ただ。うん、ただ面倒なことは嫌いで――」

 と綴り終える前に。

 悲鳴、いや叫び声が挙がった。

 ほらきた、イベントだ。





 マルのお散歩が毎日充実して終わる筈がない。

「いや、ボクのは普通に辺りをブラついて、ケーキ屋さんとか探してただけで」

 マルが踵を返して出口へ奔る。

 外都の西区から火の手が。

 黒っぽい点のようなものが多数、吹き飛ばされてて。

「あれは家屋?!」

 二階に副官がある。

 他の小隊も聞き込みや、調査、公共施設の利用にとで払っている状況で。

 顔役が手配してくれた貸家に残りの隊があった。

 かき集めてもせいぜい4小隊くらいだろう。

 っうことは。

「小隊長!?」

 副長がマルを眼下に捉えて、

「なにシたんですか!!!!」

 やっぱり信用がない。

 ここにあるのはリーパーズだけだ。



 ここが外都区じょうへきと言われてる謂れから語る。

 じっくりと聞き入る状況ではない。

 いつでも王都の北側へ逃れる用意がある。

 その理由が今、直面している『襲撃』にあるのだから。

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