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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2334/2363

- C 1188話 騎士王、奔る 3 -

「頑丈だなあ、ガウェイン卿は。フレンド登録もして、今しがたカエデの戦力にしたけど。ボクらの方針に従えないってんなら、うん。フレンドファイヤだってこっちは気にしないで、ヤるよ?!」

 モーって嘶きに代わって冷めた語気のエサ子さんがある。

 声音のトーンは低い。

 浮ついたトコは無くて、いささか不気味さがある。

 担いでる戦斧を左右に持ち替えながら、遊んでるような。


 実に、怖いんですけど?

 本気に。

 マジになったら、白兵最強のエサ子さんは怖い。

 フレンドファイヤがアリっていうRPGで、彼女の異名は『鬼畜』。

 大振りする武器を好んで扱うから流れ弾が半端ない。

 それでも彼女と組みたがるM気質のプレイヤーが後を絶たない。

 たぶん、病気だと思うわ。



 どっちも。



 アーサー卿を背負うかたちのガウェイン卿。

 咄嗟に蔵出ししたエピック級の巨大楯シールドの特殊効果――強制貫通封じ。

 これをも上塗りしてくるHPヘルス抜き。

 エサ子さんのチート能力は確率によるクリティカルなわけだけども。

 まさか...

「武器攻撃ぢゃない?!」

 大戦斧での攻撃はしている。

 ただしインパクトの寸前に片手で振り抜き、空いた片腕で打撃という器用なこと()してた。

 盾の判定は強制貫通封じ。

 攻撃スキルによる()()()()完全に防ぐ効果がある。


 じゃ、2回目は。


 貫通効果のある攻撃で連撃も、同一武器によるから1回目としてカウントされるけど。

 エサ子さんのは1ターン内で別の攻撃を挟み込んでいる。

 両手もち武器を片手で扱う腕力も異常なんだろうけども。

 攻撃アクションで、アーツスキルがそれぞれ別に発動させてるセンスも、か。

「拳がダメなら足で蹴る。足でダメなら腰、ボディバッシュがダメなら...頭突き!!」

 幼女のような体躯が。

 膝を突いたガウェイン卿と、

 その背に伸びている騎士王を前にして、なんと大きなことか。

 あ、終わったと。

 誰しもが瞼を閉じた頃、

「頑丈なガウェイン卿に免じて、ポンコツな騎士王は赦してあげよう! ボクって慈愛に満ちてるから、後でマルちゃんに褒めて貰うんだ。だから、ガウェイン卿は、スタン効果がキレたら、そこの騎士王を監房に運んでおいてね」

 ハナちゃんが尋問するからと。

 赦されたというか、ハナさんからのステイが聞こえたのだろう。

 先ずは捕縛で。

 それから尋問、時々拷問あそびを交えて、尋問して。

 事情に納得したら勧誘に肉の盾にする。

 これが『赤いカエデ』のスカウト方法だ。

 ノラの場合に限られている。


 騎士王の前に、

 戦災孤児だった子が、スープ皿に水を注いで足元に置いて――退散した。

 扉の影からチラチラ覗いてた。

 やや気になる子だ。

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