表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2328/2367

- C 1182話 エルフの王国 2 -

 作戦会議は、だね。

 交易都市らしい中立の冒険者ローバー御用達宿へ。

 施設の大半が人類サイドとは無関係の利権によって動いている。

 いわゆる交易都市のサービス事業なのだ。


 なので、基本の価格設定は。

 高山価格みたいなものだ。


 ホテルの1階ラウンジで受けるサービスと。

 ホテル最上階ラウンジで受けるものとは、まるで別物のようなつくり。

 もはやこんな表現が似合う。




 水1杯で、銅貨2枚飛ぶ。

 そこらで湧水がある。

 汲めば1杯、タダのような気がする。

「そりゃ、ムリ筋のムリだよ」

 と、マルの副官が、わたしの鼻先を指で弾いていく。

 くぅー。

「野宿する時に呑んでる水は、危険性が無いよう。実のところ一旦、煮沸消毒してる」

 だれが?

傭兵団あたしらで、気づけ!!」

 叩かれる事じゃないが、手癖の悪い人たちの典型だ。

 叩かれた。

 痛い訳じゃないが、勘には触る。

「この島の状況を見る限りは富士山やら火山もち地域特有の、天然ろ過装置くらいはあるだろう。だが、しかし、濾されて水はキレイな透明度を保っているかもだが生水は怖い。どんな状態でも煮沸消毒は欠かさないんだよ。いや、欠かせない」

 そうした手間を加えて提供される。

 冒険者宿のサービスも同じだという。


 うん、まあ、何となく理解はした。

 納得はいかない。



 会議は踊る――ほどでも無かった。

 マルが戦鬼さんに玩具にされてた。

 傍から見たらちょっと危ない角度のようで。

 男性4人に弄ばれる少女。


 おいおい。


 副官さんも女の子だから、か。

 ブチ切れてるのが見て分かるんだけど、これ遊ばれてるな。

 そこで頼りになったのが大陸の人たち。

 参加してるチームの隊長さんらは少し、遠慮してたんだ。

 事情が事情だったから。

 みんなお揃いのワタリガラスのコスチュームを着ている、ゲーム仲間ってイメージが崩れないように。

『悪ノリしているガキどもに、いつまで付き合ってやればいいんだ?!』

 ドスの効いた言い回し。

 低い声がマスク越しにくぐもって聞こえる。

 背筋に走る寒気。

 戦鬼の腕の中から、マルが抜け出した。

『な、なあ、小鬼...いや、十蔵プラぞう君』

 言い換えた!?

 強面の東洋系なおっさんだった傭兵上がりが、言い換えた...だと。

 設定には関わらない人だと思ったのに。

 わたしの先入観というか、第一印象。

 このひと左の首と、右の頬にナイフの傷跡がある。

 抉れてて――

『俺たちの行動指針だ!! 餓鬼こいつらには関係ないんじゃないか!!』

 こう、低いボイストーンで「遊戯あそびじゃねーんだよ!!!」ってハードボイルドにいうとこ。

 そこが、今!!!

「天しゃん、そういう声がお好み?」

 蒼が湧く。

 そのうち、わたしのコクーンに忍び込んできそうな予感があるな。

「まあ、嫌いじゃないね。家族に飢えてるんで」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ