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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2318/2362

- C 1172話 円卓とポンコツ騎士王 2 -

 巨躯、巨乳のガウェイン卿が動く。

 しばらく動かなかったら、おもいっきり腹がヤバイって話になって――そりゃ、あれだけ食っちゃ寝を繰り返せば。ダイエットせねば、溜まったステータスの無駄で変な数値がやばいことになってる。

 何がマゾだって。

 ゲームのくせに生活がリアルすぎる。

 映像作品でも、キャラの見せ方に生活感があると安心する効果がある。

 いや、そう感じる。


 感じない人も一定層はあるんだけども。

 食事の仕方でキャラの持つ品性や、貧しさなんてのが浮き彫りにされる時がある。

 あった!がっつくスタイルは、食い気味に。

 音も立てずにすっと済ませるタイプは奥ゆかしい。

 それが性格、それがユニーク。


 えっと、わたしは何にキレてんだ。

 そうだ、そう。

 ガウェイン卿の中の人が3日ぶりにログインしてきた――「うっわ、さぶさぶ。部屋の温度冷蔵庫並みなんだけど? ミニ原子炉でも動かしてん、、、、の?!」

 ガウェイン卿。

 周りが同僚か、或いは同じサークルの人間なかまだと思って、()()()()の食堂で震えてた。いあ、ぶっかけうどん食ってた最中でINである。

 うどんのソレが、口端に未だ、垂れておられる。

「あちっ!!」

 熱かろう。

 そいつは出来立てだ。

「やかましいな! 食え、とっとと食って、運動しろ!!!」

 食堂の主将あるじはウナさんだ。

「ど、どゆ...」


「体形が変わってんだよ、運動しないと浮き輪が取れねえぞ?」

 アバターの体形は怠惰と怠慢に、暴食とストレスでリアルに変化する。

 なんせ其処までリアルにしたかねえって。

 まあ、いい。

「え?! ええええ!!!!」

 中の人が、己の弾むスライム腹に驚愕してるとこだが。

 と、同時に。

「な、なんで私がここに?!」

 おっと、離席してた間にすっかり迷子だったことも忘れてた。

 いや恐らくはリセットされたんだろう。

「迷子になんてたトコを保護して」

 食堂の隊員たちが宥める。

 いあ、ほっとくと巨躯、巨乳で肥満の騎士が泣き始めるのだ。

 こう、わんわんと。


 犬かな?


 犬じゃないよなあ。



 着用できなくなった鎧はロッカーの中へ。

 肥満に似合うビキニに着替えて貰って――なかなかにエロいですね。見え方によっては、まあ。

「なんか落ち着かないんだけど?」

 好奇の目だね。

 うん、間違いない。

 履いてるけど、履いてない。

 ああ、目を細めると...

「ぐはっ!!」

 ウナさんの目つぶしをハナに見舞ってた。

 尋問室でカメラも切られた個室の個室。

 意思疎通が出来ないエルフは、今やエサ子さんの担当となった。

 本人曰く「任しときぃー!!」と不安だが。

「こいつの裸を今晩のおかずに使おうとするなし!!!」


「し、しないですよ。それと目は、目やめてください、失明します」

 大丈夫ってデブになったガウェイン卿から。

「聖櫃は今、どこにいますか?!」

 単刀直入に聞いてみることとした。

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