- C 1172話 円卓とポンコツ騎士王 2 -
巨躯、巨乳のガウェイン卿が動く。
しばらく動かなかったら、おもいっきり腹がヤバイって話になって――そりゃ、あれだけ食っちゃ寝を繰り返せば。ダイエットせねば、溜まったステータスの無駄で変な数値がやばいことになってる。
何がマゾだって。
ゲームのくせに生活がリアルすぎる。
映像作品でも、キャラの見せ方に生活感があると安心する効果がある。
いや、そう感じる。
感じない人も一定層はあるんだけども。
食事の仕方でキャラの持つ品性や、貧しさなんてのが浮き彫りにされる時がある。
あった!がっつくスタイルは、食い気味に。
音も立てずにすっと済ませるタイプは奥ゆかしい。
それが性格、それがユニーク。
えっと、わたしは何にキレてんだ。
そうだ、そう。
ガウェイン卿の中の人が3日ぶりにログインしてきた――「うっわ、さぶさぶ。部屋の温度冷蔵庫並みなんだけど? ミニ原子炉でも動かしてん、、、、の?!」
ガウェイン卿。
周りが同僚か、或いは同じサークルの人間だと思って、わたしらの食堂で震えてた。いあ、ぶっかけうどん食ってた最中でINである。
うどんのソレが、口端に未だ、垂れておられる。
「あちっ!!」
熱かろう。
そいつは出来立てだ。
「やかましいな! 食え、とっとと食って、運動しろ!!!」
食堂の主将はウナさんだ。
「ど、どゆ...」
「体形が変わってんだよ、運動しないと浮き輪が取れねえぞ?」
アバターの体形は怠惰と怠慢に、暴食とストレスでリアルに変化する。
なんせ其処までリアルにしたかねえって。
まあ、いい。
「え?! ええええ!!!!」
中の人が、己の弾むスライム腹に驚愕してるとこだが。
と、同時に。
「な、なんで私がここに?!」
おっと、離席してた間にすっかり迷子だったことも忘れてた。
いや恐らくはリセットされたんだろう。
「迷子になんてたトコを保護して」
食堂の隊員たちが宥める。
いあ、ほっとくと巨躯、巨乳で肥満の騎士が泣き始めるのだ。
こう、わんわんと。
犬かな?
犬じゃないよなあ。
◇
着用できなくなった鎧はロッカーの中へ。
肥満に似合うビキニに着替えて貰って――なかなかにエロいですね。見え方によっては、まあ。
「なんか落ち着かないんだけど?」
好奇の目だね。
うん、間違いない。
履いてるけど、履いてない。
ああ、目を細めると...
「ぐはっ!!」
ウナさんの目つぶしをハナに見舞ってた。
尋問室でカメラも切られた個室の個室。
意思疎通が出来ないエルフは、今やエサ子さんの担当となった。
本人曰く「任しときぃー!!」と不安だが。
「こいつの裸を今晩のおかずに使おうとするなし!!!」
「し、しないですよ。それと目は、目やめてください、失明します」
大丈夫ってデブになったガウェイン卿から。
「聖櫃は今、どこにいますか?!」
単刀直入に聞いてみることとした。