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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2309/2363

- C 1163話 交易都市と傭兵 3 -

 アヴァロン・クエストに参加しているマルと、プライベートのマルとで境界めいたものを設けている。

 仕事中のは『ストーン・ゴーレム』の着ぐるみと共に、専用の強化外骨格フレーム・アーマーがスポンサーから用意されている。

 マルの要望としては、ゴーレムがゴーレムを操縦しているように見える?イメージが草案だったようだけども、受け入れられずに武骨で素っ気ないもんが出来上がった。愛着が湧かないとストレスになるので、チャームという飾りスキンを運営から用意してもらい。

 ゴーレムの頭上にマルが載っている。

 そんな風に見える小物だ。


 配信を見ている女子には人気があるんだけど。

 ヤってる本人は妥協なので、ね。

 ちょっとこじらせてるとこがある。

 それでも使いこなさないと。

 かっこのつけようも無いと。


 で。


 趣味で作ったアバターは、十蔵プラぞうという。

 まるっきり他人さまなキャラネーム。

 半ズボンに、ハイソックスで、ノースリーブなシャツの似合う角刈りの少年。

 十蔵は、中性的な要素を排除した昭和の男子にした。

 ただし、中身がマルなので。


 ゴーストに肉体は引っ張られるのかもしれない。


 徹底的に排除したのに。

 なぜか、エロいんだよなあ。

 この十蔵プラぞうくんは。



 さて、捕捉された相手だが。

 先のマルの知り合いってことになる。

戦鬼へんたいだ。紹介はこのくらいでいいか?」

 マルの口調が明らかに男子っぽい。

 いや、正確には小・中学生の男の子みたいな口調だ。

 まー。

 兄貴が居ない家庭だ、そーなるわな。

 配信者マル・コメのウケがいいのは、弟感だ。

 世の人々は思う、

 この子を守ってあげなくては――と。


 戦鬼に楯突くように見える関係も。

 傍から見ると、

「まるで兄弟のようですね」

 副官が感じるのだ。

 隊員だってそう見える。

 鬼のような教官の面や、JKヤってる時の雰囲気もない。

 こう、コロコロとした可愛い生き物感がそこにあって。

 中性さを排除したと豪語したわりに、なんかエロくなった子がここにある。

「兄弟ちゃうわ!! あ、こら! シリ、触るな!!!!」

 構うと脊髄反射してくれるとこが可愛い。

 わかる。

 蒼もマルを使って遊んでる時がある。

「ちょ、落ち着いて。十蔵プラぞうくん」

 わたしが二人を静止させた。

 こんなジャングルの中で、じゃれ会う二人に対して。

 今のこのシチュエーションは不自然じゃないだろうか。

「うん、そうだな。不自然だな、十蔵。おまえ、こんなにお友達いたんか?!」

 そこか。

 そこなのか。

「と、とも?! ああ、ま、まあな」

 動揺が言葉に乗った感じだけど。

 マルの可愛さに場が流された感じがある。



 十蔵のいや、戦鬼かれがソレと気が付けた理由は、スキンだ。

 わたしたちがマルと同類、同族であると自他ともに認識しやすいように。

 同じスキンを用意した。

 オリジナルのフレーム・アーマーは重課金でも“運”が必要だと揶揄されたけど。

 眷属の()()()()()()は、排出率80%のレア・アイテムだった。

 もっとも課金ガチャを回さない限りは手に入れられないので。

 廃課金と知られている十蔵プラぞうの友ともなれば。

「頭から足まで全部、ワタリガラスとか。なるほど、十蔵のお友達だよな」

 どんな感心だよ。

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