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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2306/2367

- C 1160話 凶悪なエルフが出たぞ! 5 -

 ぶっちゃけると、フィールド上で俺Tueeee!!!を体感するチームが出なかったわけではない。

 強化外骨格フレーム・アーマーは、プレイヤーを襲撃するとドロップしたのを使い。

 職業、傭兵ってのが――

「ひぃーひゃっはー!!!」

 なんて、悪ノリすると手がつけ無くならる。


 凶悪なエルフが出たぞ。

 掲示板の賑やかなコト。

「賞金首にNPCエルフが載るなんて珍しい」

 シナリオとしてなら珍しくはない。

 ライブイベントの一つに『月下に彼岸』とか言うカレンダー・シナリオがあって。

 お彼岸の季節になると、ソレは糞忙しいのに7日間という短いスパンで唐突に開始される。

 いわゆる、初見殺しなんだけど。


 運よく参加すると、だ。

 金色に輝く特別なガチャチケットが手に入るのだ。

 有料だとパック商品のひとつ。

 期間限定だし、確率も決していい方じゃあない。

 フレームの強化パーツか、シナリオに因んだ武器か。

 特定スキンとスキル付きの強化外骨格フレームだ。

 近接白兵特化モデル。


 先の賞金首になったNPCが使用している強化外骨格フレームだ。


 ハナさんは手元のステータス画面からスケジュールを確認する。

 “ライン・オブ・デス”の酒場の店主は、日課のコップ拭きをしながら――「未だだよ、ライブイベントにはまだ少し時間がある。それに、」

 そう。

 それにと続くその先。

 NPCは彼我戦力差を瞬時に見極めて、狩り易そうな獲物なんか見極めたりはしない。

 もっと言えば、だ。

 そもそも値踏みも、拮抗するようならいずこかに逃げていくという柔軟さはない。

 解決まで少し時間がかかるかもだが。

 いずれはそんなシステムを導入したいと、運営は考えている。

「掲示板のこれでしょ?」

 ハナさんが指してるのは目撃情報。

 この駐屯村から近いけど、厳密には隣のエリアの何処か、だ。

 近いとはいってもライン跨ぎで近いだけの肌感覚。

「評議会に呼び出されてるんじゃないのか?」


「うん。でも、ここにこれだけ集中しているなら、さ」

 これは口実だ。

 どこかの政治家が『政治に空白を設けてはならない』というのとそっくり同じことを。

 これらの戦場に当てはめる。

「現場は生ものだからね、生きのいい情報が得られたらすぐさま、向かわなきゃならない」

 ゲーム内時間ではほぼ、6日目に突入していて。

 招集した評議会もこればかりは大目ににているようだ。

 あと、気になることが。

「MPK『チンギスはん』はどったの?」

 最近顔を見ないけど。


 手拭いを畳んで、

 濡れた冷ややかな手で顔を拭う。

 顎鬚の立派な店主がうめくように――

「自業自得だと笑ってやってくれ」


「なにを?」


「賞金首に手を出したら、逆にMPKされて監獄島に入ってやがるよ」

 ハナさんだけじゃない。

 エサ子ちゃんも『は?』なんて間抜けな声が漏れていた。

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