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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2302/2362

- C 1156話 凶悪なエルフが出たぞ! 1 -

 メディックボットに戻ってきての初動、やらかしたのは。

 マル並みの指揮官になると期待されてた――わたしだ。

 護身用に所持してたアサルトが暴発。


 ごめん。

 暴発だとマルには伝えたけど、あっちが撃ってきたんで狙撃した。

 ボットに組み込まれた手ブレ補正がマジ凄くて。

 ワンショットキル。

 しかも600メートルは離れてた。



 掲示板に走る情報。

 ハナたちも戻ってきた国境の駐屯村でそのチラシに目を向けてた。

『凶悪なエルフ出現、農民クラン“みたらし団栗だんご”全滅』という報道ニュース

 MPKからでさえ、

「あんな人畜無害なカモをよくも」と。

 カウンターに肘をついて、

 ハナさんは頬づてに空虚を見る。

「なあ、これ」

 証言内容がついてるのも珍しい。

 クランと同行してた用心棒プレイヤーの者が応えたものとされ。

 その好戦的すぎるエルフの神業が記載された。

「600メートル以遠からの精密射撃。遭遇から、攻撃に至るまでの刹那で即、パーティの目を潰したあたりは戦い慣れている、としか言えぬ気がするんだがな」

 今までも、小競り合いは起きてた。

 まあ、そういうゲーム性だからダークエルフ達はこの世界のモブキャラだ。

 資源ユニットでもいうか。


 初心者が相手するには狡賢く、攻撃も痛いのばかり選択してくるが。

 倒せない相手ではない。


 ただ、対人戦もあると考慮すると。

 やっぱり出会いたくないエネミーNPCと言えた。

「『赤いカエデ』とこにも似た距離で狙撃できるの居るんじゃないか?」

 酒場の店主がバターエールを注ぎ直す。

 ひとことふたこと呟きながら、

「ああ、うん。普段は狙撃なんて仕事はないもんだから、厨房に城を構えて守勢に入ってるんだ」

 世間話だけど。

 狙撃手はウナさんか。

「しばらくは籠城するだろうなあ」

 今は、足りない食料の補充に外へ出ている。

 駐屯村“ライン・オブ・デス”に横付けされた陸上戦艦――

 どう見ても場違いな巨大な拠点で。

 ソロ、パーティのPKたちも、セーフティエリアからシルエットだけを拝んでた。

 ああ、あれが噂に高い『赤いカエデ』の拠点かってな具合だろう。


 この武力。

 お宝だぜ、ヒャッハー!!!

 って叫べる奴がいたら、ネジが何個飛んでるんだろう。





「――で、実のところ、どうよ?」

 600メートル以遠。

 1000メートルを超える極大射程ほど現実的な数字で、精密射撃は難しくはない。

 物理法則も似た背景のゲーム内では。

 まあちょっと異常な、か。

 エルフの姿を捉えたのは、用心棒たちだろう。

 警戒アラートが鳴り、身構えたのも。

 恐らくは威嚇射撃もしている筈だ。


 その結果が、この惨状とみる。

「先に目を潰し、即座に盾も潰してるとこ見ると。うん、こちらの戦術が身に染みて分かってる個体だな。しかもエルフが使用してた弾丸は、こちらの魔法盾マジックシールドをすり抜けて」

 酒場の主人も、

装甲帯ベルトを穿ってきたって話だな?!」

 フレームの中で一番強度のある部位を装甲帯と呼んでる。

 アーマーベルトっていうとまんまだけど。

 とにかく防御の要みたいなトコ。

「好戦的ではなく、凶悪か。確かに、凶悪だよね」

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