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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
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- C 1154話 騎士を拾ったはなし 4 -

「ボクたち上陸組は異物として認知されたと仮定すると」

 おいおい。

 ワンチャンで、

「いあ、無いと思う。エサちゃんやハナ姉はボクらを見誤らないって、希望は持ちたいだろうけども。恐らく、プレイヤーからしたら背後が歪むほどの敵意と、憎悪のオーラをまとったエルフに見えるんだと思う」

 そんな具体的な。

 いあ、待てよ。

 接触してきたのがノラの騎士だけじゃないとすると。

 この依頼オーダーの数は。

「他のチームたちがそれぞれに接触を持とうとした結果だよ」

 マルは『ボクも博打でこんな仮定は立てやしない』という。



 浜辺の本陣から離れたチームは多かった。

 まあ、わりと冷遇されてた国から順に内陸部へ散った感じだったし。

 と、すると。

「これからどんどん、こんな感じのオーダーが張り出される。今は大規模戦イベントへ戦略物資が採取され、納品するクエストも盛んだから。オーダーは増えても受注するプレイヤーは少ないと、見て――」

 マルが頬を両手で挟んだ。

 変顔ほどじゃないけど、かわいい顔を歪ませてる。

「うーん、どうにか他のチームと連絡を取らないと、ちと。不味いことになりそうな予感」

 マル曰く。

 拗れたことがあるという。



 暫く時が進んで――

 半日以上は経過したところで、依頼オーダーの内容が変化する。

「マルちゃん、これ!!」

 あおいが注意して見てた『求人サイト』のオーダーだ。

「やっぱり出たか」


「なにが?」

 危惧してたんだよって、マルがつぶやく。

「ボクらの目にはゲームで見慣れたフレームのプレイヤーだけど、各国のチームは選抜された精鋭か、金で雇った傭兵だからね。アヴァロン・クエストの事前情報が無いなら、遭遇したら即、交戦は止む無しなんだが... 状況が状況ならプレイヤーを排除するんじゃなく捕らえるかもしれないと思った」


「そもそも」


「そう、ゲームの島と似ているからと、アヴァロンかどうかは分からない。情報としての価値は二束三文だよ、それでも信じてくれた国には、メディックボットを提供した。本音でも得体のしれないとこに生身で行きたくはないからね」

 さて、好戦的なエルフの襲撃報告がこの後、30分ごとに増えていくことになる。

 農民プレイというタグ付きのプレイヤーや、クランが狙われた。

 無抵抗ってわけじゃないけど。

 抵抗が組織的じゃないことが狙われた理由だろう。


 陸上戦艦に籠るハナさんの下にも――開拓街評議会から要請として告げられたとこ。

「今、急ぎの探索系クエストの消化中ですので」

 お断りひとつもメールではなくチャットを強いられた。

『PKKクランは上限が決まっている、理由は承知だよね?』

 画面の向こう側のアバターは、尾が3本あるシャムネコ。

 なんか針金みたいなのが、画面の端に見え隠れする。

「ええ、はい」

 PKは、システムを理解してやり込んでいるゲーマーだ。

 たまに単に楽しいからってのも居るけど。

 殆どは、RMT業者は赦さないマン的思考のPKプレイヤーで。

 敢えて赤ネームになるパターン。

 彼らと接点を持つことは、裏社会を垣間見ることが出来る。

 情報収集には必要なことだ。

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