表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2298/2359

- C 1152話 騎士を拾ったはなし 2 -

 とんだ拾い物だ。

 最高だ、とか。

 これはいい物だ、とか――そういう類の誉め言葉じゃない。

 どっちかというと。

 厄介者の方の。


 とんだ拾い物だ、だ。

「ひどくないか、ひどくないかー!!」

 何を今更。

 ひどくないかーは、こっちのセリフだ。

 数分前、

『おお! どこかで会ったか? もしかしなくても“ガウェイン”とは、私のことだ!!!!』

 と、宣言した舌はおまえのだろう。

 迷子の円卓の騎士。

 この二つ名が燦然と輝くステータス画面。

 アホな子が増えたよ。

「アホとは聞き捨てならんな!!」

 ウナさんが厨房からのマイクで唸ってる。

 アナウンス機能がONで、

 不機嫌そうだ。

「ウナさんぢゃないですよ」

 メシ作らんぞって言われるのだけは避けなければならない。

「どうしたのだ? 諸君」

 巨躯なシルエットを持つ“ガウェイン”卿。

 筋肉の鎧に豊満なバスト。

 柔らかいのか、硬いのか。

「メシ、上手かったぞ」

 にっかにかに嗤う天然の筋肉。

 空気嫁というスラングがポップする、尋問室。



 システム上。

 記号化された食事は、誰が作っても一緒という結果にならなかったのが。

 ハイファンタジー・オンラインの特徴の一つだ。

 そんな悪癖をこのアヴァロン・クエストも引き継いでしまってた。

「すごいな、ここのオムレツは!!」

 ウナさんのレシピだからな。


 なんとなく非戦闘員でついてきたウナさん。

 アバターと一緒に作った強化外骨格フレームも、支援全振りだったけども、だ。

 乗るでも無しに倉庫に放り込まれてある。

 今は、陸上戦艦のマスコットとして従事していた。

「“ガウェイン”卿、どうして?」

 ハナさんの探りが入るけど。

 まあ、天然さんにソレは野暮ってもんです。


 やや斜め上のシミでも見ながら。

騎士団あいつらとは、その、うむ! 今、喧嘩中なのだ!!!」

 分かり易いなあ。

 何らしかの意見齟齬で、反発したのだろう。

 いや、其処は反逆の騎士のポジションじゃねえのか。

「あー、モルドレッド卿はその。魔法使い、ガンドのやつに心酔とまではいかないが。いい子だからさ、今回は聞き分けが良かったんだよ。納得したかは不明だけど、な」

 そっか。

 そっかで片付けられないけど。

 反逆の騎士も納得できる意見に、この騎士は反発した。

 複雑だ。


 結果、飛び出したら――帰り方が分からなくなった。

 その円卓は動物園か?!

「えっと、これまでにどんな勢力クランと会えました?」

 ハナが問うと、脳筋の顔がぱっと明るくなって。

「うむ! やや好戦的なエルフどもと対峙してな!! これを2度退かせてやったのだ!!!」

 この脳筋が。

 いや、待て。

 エルフ? 好戦的な、そのフレーズ、何処かで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ