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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
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- C 1151話 騎士を拾ったはなし 1 -

 蒼の薄い本は大盛況だった。

 特にイケ叔父に正体がバレた、男装女児のハードコアバイオレンスな新刊の破壊力。

 パールを埋め込んだエリンギの意味不明なゴボウ抜き。

「この手の本に意味を求めちゃダメ!!」

 エリザさんの手に蒼の本が。

 隠れ読者だった。

「そ、それ。オカズですか?」

 わたしも動揺してて敬語になってた。

 が、彼女はくすりと微笑み。

「マルちゃんに悪い虫が付かないようにするための教材。これで今のところ大雑把にキノコ類が苦手になってるのよ。食べも出来ないし、なんなら泣くから愛おしくて愛おしくて」

 人にはそれぞれの愛情表現がある。

 とはよく言ったものだと思う。


 あおいは、マルのアダルティな妄想の画集も発表して。

 エリザさんから巨大パネル製作依頼まで得た、わたしのパートナーは非常に逞しいと思う。

「マルが気の毒に思えてきた」


「そう? 怖い思いをしないで済むのだから事前情報として、教育は大事だと思うのよ」

 いあ、それはトラウマを植え付けて。

 まあ、いいか。



 『チンギスはん』の依頼の為に島の西へ進んだ。

 現在進行形で大規模戦闘の事前準備が盛んに行われている地域へ入った途端、フレームよりも巨大な大剣を担いだ強化外骨格ノラ・ナイトが現れた。接敵告知の事前確認めいたアナウンスは流れたんだけども。

 先を急いでた、ハナたち陸上戦艦の行く手を阻んできた影の正体――。

 今のところは。

『ひとりだよ?』

 こちらの考えを読んできた。

『ふふふ、ふん。...迷子の騎士だ、ウケる。オレさまが帰れるクランを見つけてくれたら』

 少しあたりを見渡して。

 深くため息を吐いて、目が泳ぎ始めた。


 あれ?

 どうしたんだ、この人。

 冑の視界を手で覆い隠し、唸り始め。

『よし、先ずはメシをくわせてくれ!!』

 その前に礼を尽くせ、()()が。






 陸上戦艦は拒むことが出来た。

 そうしたら癇癪で暴れてたと脅してきたが――「迷子が偉そうなんだよ!!」

 レーションを手渡すハナさん。

 ハナさんは、いつものアバターじゃない。

 が、見る人が見れば、だ。

 運営が()()であるように、個性はフレームのカラーリングや、改造履歴から分かり合えるよう設計されてた。

 で、だ。

「もしかするかと思うけど、ガウェイン卿かな?」

 エリザさんの野生の勘かな。

 初見でも、かつては共に何かを為し、パーティを組んだもの通しであれば。

 ニュアンスや仕草、違和感などで気づけるのだろう。


 ウナさんは厨房で孤軍奮闘中だ。

『おお! どこかで会ったか? もしかしなくても“ガウェイン”とは、私のことだ!!!!』

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