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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
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- C 1149話 蒼と薄い本のはなし 4 -

 マルを観察する機会を得た。

 そう、あおいは言った。

 ゲームからのアプローチ組は昼休憩の後に、コクーンへ入ったけども。

 わたしらは12時間は何もデキない。


 否。

 蒼だけはガリガリと鉛筆の音が絶えることなく。

 一心不乱にマルをデッサンしてた。

「どれどれ」

 息を呑む。

 マル、剥かれてるじゃんよ!?



 目の前の幼女、マル。

 司馬丸恵はぴっちりと肌に吸い付いた専用のスーツに肢体をおさめて。

 ちゃんと着用している中性的な女の子だ。

 おしり、ちっちゃい。

 かわいい。

 バストが無いと、思ってたけどよーく目を凝らしたらさ。

 あったわ。

 うっすいけど、ぽよ~んってな感じでかわいい丘が。

 そのふくらみはじめたような丘を台無しにする、下っ腹と、恥ずかしい丘が。

 なんていうか目立つ。


 これが、幼児体形?!!


 す、すご、すごすぎる。

 破壊力が半端ない。

「そ、これがマルちゃんの魅力なんよ!」

 蒼のドヤ顔がわからないけど。

「――で、ぶっちゃけ。続刊は?」

 どうよで話を無理やりにでも挿げ替えようとした。

 努力は買ってくれ、マル。

 ダメだった。

「今までこっそり描き貯めてたマルの画集を出す。んで、禁断の男装王子と女装姫って感じで薄い新刊出そうと思ってる。てか、もうデータは印刷たなにあるだろうから近日中に段ボールが、天しゃんの部屋の前にあると思うよ?」

 なにゆえ。

「だって一緒に住んでるんだから。使ってないメイドさんの部屋にでも放り込んでおいて」

 マジか。

 あそこを片付け、侍女長あいつの忘れ物をすべて処分したんは。『ほかの女の匂いがするのは嫌』という生理現象のソレじゃなかったのか!!

「え、あ、いあ。匂いも何も、使えるもん置いて出て行ってくれた事には感謝するけど。あおいの髪質に合わなかったし、残念ながら石鹸が安物だったんで捨てました、廃棄です。あー、わんちゃんかなあ、蒼の匂いを天しゃんに擦り付けたい気分です!!!!」

 そっかあ。

 そういうヤツだった。



 蒼の薄い本だが。

 既刊本が数本あって、残ってたもんの在庫処分一掃するという話で。

 続刊にはモザイク無しというか、どこにモザイクがあるんだというレベルのキノコの話、これが平積みになる。

 で、マルの画集だけど。

 これは本人には言えないレベルの剝かれ方されてて。

 全部、全部、ぜぇ~んぶ、あおいの妄想レベルで描かれている。

 例えばだが。


 教室のようなシーンがあって。

 こう、ハンカチを机に上に敷いたカットがあって――パーンした先に風を感じている女児が映り込んでくるんだけど。いやいや、マッパなマルが...がふっ、不覚にもわたしが鼻血だと?!!

「ふふ~ん、そっか。天しゃん、そちもイケるのかあ」

 お、おい。

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