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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
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- C 1144話 国連軍と大規模戦闘 4 -

 わたしたち一行は、紙飛行機ドローンを飛ばして――長距離通信を試みた。

 メディックボットの通信に支障はないけど、どうも隔絶された感じがする。

「ゲームの中にフルダイブしている感覚でしょ?」

 マルに言われて、確かに妙な気分だ。

 あおいはいつも通り、妙にニコニコしている。


 いあ、違うな。

 あたしにひっつき離れてくれない。

 お、おい、どさくさ紛れてどこ、触って――もう。

「ラブラブはいいけど、本題に入る」

 小隊のみんなは装甲車の外で警戒中。

 “灰色の尖塔”まではまだ少し距離があって、彼我の位置が分かりにくい。

 ゲーム用のマップと、監視衛星からの航空写真とでは明らかに差があった。

「ゲーム内には工事中の為、未開放の地区がある。故に、ここは島の輪郭だけでソレと解釈しないといけない。幸い縮尺のせいだろうけども概ね、一致する箇所があるので、電磁波のうねりの中を抜けた僕たちが上陸した島は、アヴァロンで間違いなさそうだ」

 隊員のそれぞれのヘッドギアにマップが重ねられてた。

「鉄道の痕跡、これは紙飛行機ドローンからも確認が取れ、マップとの誤差も加味すれば。ああ、今、ボクたちが向かう先の“灰色の尖塔”は、例の狩り場と見て問題ないだろう。敵勢力になった地域は先月の大規模戦で『王国』に負けた地とも重なってた。狩り場と隣接している地域だから、離れて正解だった!!」


「なんで?」

 このゲームはまあ、惰性というか。

「脳筋プレイだもんね」

 と、屈託のない満面の笑みが眩しい。

 蒼のヤツ、余計なことを。

 この子とパーティ、いあ、バディを組むようになって。

 プレイスタイルが猫被りあってたことがバレた。


 わたしはガサツで。

 蒼は繊細、神経質じゃないけど、こう、すげぇー女の子だった。



 悶絶するわたしに、マルの視線が痛い。

「痛いと思ってるのはボクだ」

 ご、ごめん。

「大規模戦は、月に一度だけども。局地戦は常に起きている、これはプレイしてて分かってるでしょ?」

 おっと、マルがマウントを取りに来たな。

「ちがうよ、確認だよ」

 は、はぃ~ぃ。

「Co-oP戦だけでは、大兵力を動員する大規模戦闘の()()()が溜まらない仕様になっている。これは公式発表されてて、PvPが必須条件だってアナウンスされてた。ただし、大規模戦カウンターなら即時実行可能と言うルールがある」

 う、う~ん!?

 それってカウンターの応酬に。

「ならないよ、ちゃんと公式のニュース記事見て。(乾いた嗤い、いあ、失笑めいたものを聞いた)カウンター返しが出来るのは1回だけ、ただし...大規模戦が出来る条件は月に()()()()ってのがあるから使いどころも考えないといけない。まさに、今回のがいいケースだよ?」

 はて、

「天しゃんはね、考えるのわりと苦手なんだ。暗記が得意で、試験テストも写真撮ったみたいに覚えてるのから書き移してるだけって感じで」

 こ、こらこら。

「ほう、それは一種の才能だね!」

 おっと。

 マルに褒められたか。

「ボクは感心しただけだけど、うん、褒めても何も出ないけどね」

 そっか。

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