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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2289/2361

- C 1143話 国連軍と大規模戦闘 3 -

 アヴァロン・クエストの大規模戦はひとつの祭りのようなところがある。

 勿論、勝敗は司令部の破壊であるので。

 弾幕雪合戦に夢中になってると、なかなか終わらないことも多い。

 それでもキルデスくらいの分かり易い自己満足度も他にはなく。

 キル数を重ねれば、脳汁に溺れてハイになり。

 デスを重ねれば、台パン、フレンドファイヤ、みなとも道連れの自爆コースと。

 人それぞれに欲求の満たし具合がある。


 さて、


 戦場は大きく分けてふたつ。

 拠点強襲戦か、雪合戦か。

 まあ、後者の方が主と思われてるね、コレは。

 両軍に割り当てられた継戦力ゲージが()()になるまでなら、何度でもリスポーン可能。

 雪合戦が一方的すぎると、ユーザーから『懲役刑』なんてワードが飛び出す。

 継戦力ゲージは、戦略物資と同義でもある。

 資源の調達組がフィールド上の狩場から専用アイテムを入手し納品すると、ゲージが一定数回復する仕組みだが。前述したように雪合戦で大破したフレームのコスト次第では、リスポーン時のゲージ減は納品よりも大きく削がれることになる。

 戦場で飛び交う合言葉に『いのち、だいじに』ってのがあるのが、それ。

 言って、雪合戦で熱くなった連中には聞こえない言葉だ。



 浜辺に打ち上げられた物資に群がるフレーム。

 国連軍の残骸を一通り見渡して、

「リスポーンしないのか?!」

 なんて、独りごちる者があって。

 やっぱり不思議そうにドロップしたコンテナ群をまじまじと。

「どういう事かは分からないが、やや不気味なNPCだったな」


「まるで、上陸したての雰囲気があった」

 彼らの目には()()()()()を動員した、島の勢力のように見えていた。

 記録映像にも。

 人影の方はエルフのように横に張り出した耳が生えて。

 顔色の悪そうな肌と、牙のような歯が下顎から突き出ていた。


 んー。

 わたしらも残ってたらそう見えてたのか。

 ちょっと複雑な心境。

「深く考えるのは後にしよう!!」

 開かれたコンテナに弾薬と燃料があって。

 七色に輝く鉱石のような『コア』が見つかった――わたしたちの目で見れば、黄色と黒色の歯車みたいなマークで恐怖する、例のアレ。

「撤収だ!!!」

 このコアを他の勢力も狙っている。

 ゲージの超回復にはコアが必須だからだし、フィールド上ではなかなかドロップしない。

「チンギスはんのやつらには感謝だな。こんな穴場を」


「だが、それでこちらは情報料として報酬とりぶんの1割が消えるんだ。妨害なく持ち帰れば勝てる“王国”の勝利で決するんだろうが...少し嫌な予感がするんだ」

 フラグを立てるなって仲間から飛び出したけど。

 国連軍を粉砕した5機のフレームは、MPK『チンギスはん』の遊撃に強襲されて沈んだ。

 これが弱肉強食ってことだ。

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