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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2285/2365

- C 1139話 戦災孤児をひろいました 4 -

 灰色の尖塔。

 今は単なる廃墟だけど。

 ここは穴場スポットで、エリア全体がダンジョンと化している。

 普通に潜るだけでもフレームの素材が手に入るし。

 強化パーツや、新しい魔導書なんかも手に入る。

 とにかく魅力的なスポットではあるけど。


 PKも多い。

 PK同士では紳士協定ってのがあるらしく。

 都合上、潰しあいはしないそうだ。

 なぜかは分からない。

 シリアルキラー予備軍っぽいのに。



 フィールドに出ればほとんどの地域が、PKし放題のエリアであって。

 それはプレイヤーキラーをしている者も例外なく狩られる側という意味でもある。

 子羊のように農民プレイに慣れているのが、日本人気質で。

 かつて、SNS上には多くのPvPソシャゲがあった。

 そのすべてにおいて。

 スイミーのように大きな群れを獲得して『農民プレイ実施中』ってグループの紹介文に書き記していたものだ。

 とはいえ、日本人だからの理由で。

 PKに無縁かと言うと、それも怪しく――やっぱり一定以上は積極的にPKになる者と。

 流れた先でPKになってた者とで別れるくらい、か。



 ま、いずれにせよ。

 PKも出来るフィールド上の採掘現場やダンジョンでは、極めて珍しいフレームの素材などが手に入る。

 いあ、そうだなあ。

 安全圏である地域も点在し、そこまで()()()()()行くかが問題だけど。

 仮にそうしたセーフティ・エリアの採掘場でも。

 NPCのエネミーを相手にドロップアイテムで稼ぐ手段は残されている。

 ただし相当に確率に振られ、絞られた値の中でしかドロップしないのが決まりだった。

 課金で得たフレームも強化する時にはゲーム内に点在し、埋没しているアイテムが必要になる。

 いや、開拓街の露店バザー、中堅の店、クランが開いている交易所で手に入ることもあるんだけど、まあ、これが糞がつくほどの高価とくる。

 この強化アイテムを買ったとしても、目当ての効果が出るのもガチャ要素だといったら。

 これ絶対、発狂ものだと思うんだよ。



 “灰色の尖塔”に呼び出され、

 PKたちが縄張りとするエリアまで引きずり込まれた形となった、が。

 カエデのダズル迷彩を目撃したPKクランらは、

「俺たちは姐さん方に敵対しないですよ」

 なんて言葉を残して早くも退散し。

 尖塔エリアがグローバル・アナウンスで――『3時間だけの限定ですが、只今より“灰色の尖塔”はセーフティ・エリアに治安が格上げされました』って流れたようだ。これが公式に登録されたPKKクランの社会貢献である。

 さて、待てど暮らせどMPKクラン『ジンギスはん』のメンバーが来ない。

 そろそろ3時間が経過する時期になって。

 ちょっと居座り過ぎたかもしれないけど。

 再びアナウンスが流れて――『治安が更に浄化されて、延長されます』だって。



 よくよく考えたら。

 お尋ね者が急速に治安が良くなる地域に踏み入れるはずもなく。

 尖塔の郊外へと流転した。

 まあ、そんなスラムのようなより廃墟めいた地域で、飢えた目をした獣のような子に。

 エサちゃんは、出会ったのである。

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