- C 1137話 戦災孤児をひろいました 2 -
セーフティ・エリアで固められた、グリーンゾーン。
島全体から見ると4分の1しかないエリアだけど、海岸線とわずかな平地だけが人類の到達点で。
もっと内陸へ歩をすすめると、だ。
格段に難易度が上がる。
この地域で大規模な戦闘は発生しないけど。
島の勢力範囲は常に流動してて。
絶対とは言い難い。
ま、運営がソレをしたら、唯一残っている「キルデスじゃあ!!」って騒いでるコアの連中の怒りを買って、即、サ終にされるだろう。
この点。
糞ゲーではないけど、マゾ成分多めの本家が常に人を集められる理由。
世界中に変態が多いってことかな。
適度に、カジュアルに人が狩れるゲーム性。
やっぱ、基本的に人って危ねえんじゃねえかな、性質的に。
◇
開拓街から街へ移動するにも、リーパーズの陸上戦艦は、目立つ。
いやはや何処へ行っても『凶暴』の謎クランと伴に、卓上に上がるのは『赤いカエデ』をダズル迷彩のようにデザイン・ペイントされた陸上戦艦のことだ。
遠目から見ると。
『赤いカエデ』が浮かび上がるという、視覚効果があって。
ダズル迷彩が誤認を引き起こすものだとしたら、だ。
こっちは発見率を高めさせる細工となる。
ま、話題になるという点では、宣伝効果がバッチリだった。
調査隊の方は。
ハナさんたちはクラン名を『メイプルシロップ』としたけども。
結局、酒場の酔いどれたちからは『赤いカエデ』と呼ばれるようになり、二つ名が贈られた。
名誉か不名誉かは本人たちに由るが。
グリーンゾーンの端の端。
毎回、PKに遭遇する国境の村“ライン・オブ・デス”。
村の名前にしては物騒なものだけど、フィールドに出る心構えとしては『肝に銘じる』でいいと思う。
そこの酒場に彼女らは毎回立ち寄って。
「なあ、店主?」
あ、ってだみ声で返した、プレイヤーの店主。
カウンターにデカイ尻を載せて、だ。
一段も二段も頭高い位置から、ハナさんが見下ろすシーン。
毎回なんだけど。
インパクトは十分で。
どこかマゾ気のある男たちは前屈みにお仕置きを待つポージング。
「性懲りもなく、あたしらにちょっかい掛けてきた坊主どもの装備品だ。燃料代と食事代に、弾薬を分けるってんなら返してやらんでも無いよ?」
これ、マッチポンプって言うやつじゃないかな。
わたしはピーンときた。
ハナさんたちのレベルは違う方向に伸びている。
ハンターランクと、キリングレベル。
果たして99がレベルのカウンターストップなのかってくらい回ってるし、PKKクランの上位に挙がってる。
PKのたまり場に顔を出して、彼らを刺激したら襲われてるのだ。
返り討ちにしたら、戦利品共々PKのたまり場で返却している。
ヤラセじゃねえか!!?
「――ったく、ここで。っ、てめえらが煽るから、先ずは神聖なカウンターに尻を載せるな、バカ娘どもが!! これはロールじゃねえ、食卓には食いもんが載るもんだ。怒らない親もジジイやババアもいねえだろ?! カウンターには酒と食いもんが載る。尻は載らねえんだよ!!!」
って、店主に尻を突き飛ばされ。
面食らってるハナさん。
ああ、見れば見るほどの桃尻ですなあ。
ジーンズに、こう。
張った肉と谷間のバランスが最高ですよね。
くぅー、美味しそう!!!!