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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2282/2360

- C 1136話 戦災孤児をひろいました 1 -

 さて、エサちゃんらの方。

 なんか市街地に出ちゃったみたいで――猫の子でも拾うように。

「なんで連れて()()()()()かな?」

 ハナさんの声に、諦めの境地のようなソレがあって。

 ため息交じりに。

「だって、」

 鳴いてたから。

 小さな子を抱えるように、エサちゃんの腕の中に似たサイズの子がある。

 抱えるというか負ぶさるというか。



 ことの起こりは2,3時間前に遡る。

 開拓街のひとつで話題になった、クランの話。

 MPKの常連を躊躇いもなく瞬殺した上に、最狂と謳われたティラノの群れも。

 瞬く間に処理したという凶暴と弐つ名が贈られた無名のクラン。

 今のところの情報としては、ここまでで。


 仕入れてきたウナちゃんは、ハナさんに。

「これ、国連軍だよね?」

 まあ、そうとしか思えない。

 わたしらの上陸ポイントは、タイムラグはあってもリアルタイムにモニタリングされてた。

 万が一にもすれ違っても。

 このビーコンが互いを誤認から防いでくれるはずで。

「まあ、どう言う訳か、プレイヤーとして認識はされているようですね」

 最初の疑問に立ち戻り、

「島はやっぱり実在してたのか?!」


「さあ、視覚的な信号が為せる集団催眠の類かもしれませんよ?」

 光学センサーが用いられているのは間違いなくて。

 メガフロートで建造された人工島に吸い寄せられただけとも。

「運営には確認したんでしょ?」

 集団なんとかも検討くらいはした。

 VRにARを駆使しているのではないか。

 メリットがない。



 当然、運営会社に。

 リアルな、写真のような、或いはドキュメンタリー番組でも見ているかのような。

 現実のようでまるで現実味が無い世界に迷い込んだ時。

 サプライズとして何かを期待はするけど。

 期待とともに恐怖も過る――だってそのエリアは、敵性勢力下だったりする。

 乗り物にでも駆って、通り過ぎる分のペナルティはリスクとともに小さい。

「プログラムの出展が『ハイファンタジー・オンライン』ってだけで、なんとなく事件性と事故の他に、オカルトも感じられるから不思議だよ。別の世界線でも()()ゲームに巻き込まれたんじゃないかって」

 ――で、敵勢力下にほど近いであろう、海岸線に陸上戦艦が向かう事に。


 これは突発性のライブ・クエストってヤツで。

 基本的には調査目的なので占められ。

 MPKクランの中堅プレイヤーから依頼が流れてきた。


 集団レイドと同じように。

 時限性のある高額報酬も見込めるライブ・クエストは人気のあるものだけど。

 今回は流れそうな類のだった。

 MPKしに行って返り討ちに遭遇ったのだ。

 もはや自業自得って言葉で片付けられるのに。

「マルちゃんトコの上陸地点に近いから、物見も兼ねて受けてみようよ!!」

 これはウナちゃんの言葉だが。

 その一言がきっかけで――市街地へと入り込んでしまったのだ。

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