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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2258/2359

- C 1112話 唐突ですが、2 -

 ――で、別室から。

 わたしの手を引くエリザさんと、千本松原が。

「あ!?」

 蒼の第一声は、そういう間抜けなものだった。



 あおいの反応を察した長老ババさまの態度がさらに硬化。

 八ッ橋の者が同室というだけで、唾を吐く。

 ああ、これは品位が疑われますなあ。

「床を汚すなし!」

 清掃員が颯爽と現れると、モップが掛けしていってくれた。

 そういう態度は身を崩すもんだ。

 と、片葉ひとつばのババアが言ってた。


 敵対していても、

 建前と本音は切り離して、相手には礼を尽くせと。

 そんな当たり前のことを説いてた気がする。

「むむ?! そこの娘は二葉の??! 途絶えたのではないのか」

 うわ、失礼な。

 そりゃリストカットしまくって、一時は病院から軟禁されてたけど。

 こうして立派に高校生してますよ。

「ババさま!! 蒼の大事な友達に...失礼なことは」


 大事?!――って言葉にますます機嫌が悪くなって。


「なんと情けない事か。片葉は武門の陸華堂とは真逆!! 降霊や神降ろしなどという託宣の者ども、戦の前に鍾馗さまに祈願する習わしもあって、無碍にはせぬが...ワシは好かぬ者じゃて、な??!」

 まあそんなにあからさまに。

 いや、この長老さまのお眼鏡に適う名家なんてあるんだろうか。

「蒼、もしかしてですが?」


「はい、エリザさんとも仲良くさせて頂いてます!!」

 やや凄むように腰かけてた椅子を蹴り飛ばしてて。

 わたしの目には新鮮な雰囲気だ。

「そうですか、そう...なら、その縁。すっぱりと断ち切ることにいたしなさい!!! この陸華堂の軒下にある以上は――」


「軒下を借りようとは思っていません!」

 切り捨てゴメンってのがあったら、正に今、コレだ。

 じゃあ、くるくる回って。

 長老さまは画面のフレームから消えてくれると助かるんだけど。

 いやいや。

 そう簡単にいくものでもない。


 おばあちゃん言うには若く、七十頃合いの女性ひとだ。

 二十歳のころは相当な美人だったんだろう。

 今、この時でさえまるで美魔女だし、怒髪天のその姿も艶があった。

「武術の家に嫁いできた()()が武に明るくないとして、侮っているのであろうが!! これでも先代が亡くなっての11年、宗家を盛り立て差配してきたのはワシじゃて、この目が黒いうちは何があろうと()()()()()を貫かせてもらう」

 これは決意表明のよう。

 例えば、蒼にこれ以上の武才が無くとも、その他の高弟たちには習得できなかった技の数々は、次代に遺せるものである。彼女の子か、或いは一族から養子を得て、教育すればいいのだから。


 うーん、どうしても手放したくないようですな。

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