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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2257/2367

- C 1111話 唐突ですが、1 -

 ストーンゴーレムの配慮により、

 陸華堂家の選抜班が組まれ、しぶしぶだが蒼もこれに入って――人工島の裏社会へと遠征する。


 先のマフィア騒動から。

 治安の方は、傭兵リーパーズってのが仕切るようになり。

 地下闘技場の稼ぎの何割かが()の運営に充てられると、ゴミ溜めのような雰囲気が一掃された。

 いや、したんだ。


 無許可で上陸している傭兵たちの遊び場が。

 人工島に出来上がって。

 この繁栄ぶりを支えてた。

 それを作り上げたのも傭兵って、政府のみなさん仕事してますか?

「はい、ちゅーもーく!! 陸華堂のみなさんはひと月、いや遅くとも、み月までには闘技場で稼げるソコソコの拳闘士ファイターに仕上がって貰います!」

 ストーンゴーレムはいつもの着ぐるみの()()だが。

 ぱんぱんと、手を叩いて武術家たちの注目を浴びてた。

 怒らせたらどっちが強いのだろう。


 蒼はそんな風に考えてたが。


 ここまで――

 闘技場と併設された訓練施設。

 多くのブロックに分かれて、治療院やら歓楽街にただの宿まである。

 連れ込んでも『壁が薄い』って隣から苦情が来ることのない造りっていうと、それは天国ですかって。

拳闘士ファイター諸君には気持ちよく戦って貰いたいからね!!」

 ストーンゴーレムの説。

 いや、闘技場の外も確かに“街”だった。

 かつてのマフィア以上に恐れられた傭兵団の仕切りに、差配。


 それはすれ違った、ガラの悪いお兄さんたちの態度からも垣間見れたし。

 そもそもプロゲーマーとして登録されてる、コメ氏に会釈してくるゴロツキとは如何に。


 蒼は肌感覚で、コメ氏が強いって知っているけど......

「――っと、聞いてますか蒼さん?」


「え、は、はい?!」

 上の空だったか。

「蒼さんは見学組なので戦う必要はありません」


「え?」

 やっぱり聞いてなかった。



 あおいは、気分晴れやかに。

 清々しく負けた。

 武門の家に生まれて、神童だの天才だのと持て囃されて、考える暇なく頂に上り詰めたと思ってた。

 けど。

 けど...上には上が。


 あたりまえだけど。

 ゲーマーに技でも、腕っぷしでも、場数でも負けた。


 で、だ。

 なぜか闘技場の中にあるレクリエーション・ルームに、だ。

 長老ババさまと対峙した形で、座らされてた。

「やあ、どうもどうも」

 また、ふざけた着ぐるみで再登場するコメ氏。

 巨石人じゃなく、海賊ねこ風。

「あ、これ? 次のテストで採用されるアバターなんだよね! 浮沈アンシンカブルのサム、戦艦ビスマルクや空母アークロイヤルを渡り歩いたとされる...ま、いいか。こりゃ、脱線してしまったねえ」

 空気がにわかに良くない方向に向いたので。

 コメ氏はなくなく話を切って。

 この場に、ババさまと膝つきあわしている状況を説明しだす。

「まあ、あれだ。ボクの依頼は...」


「蒼を宗家に迎え入れるためであろう! あんなにボコボコにしおって!!!」

 憤ってる、憤ってる。

 着ぐるみのコメは鼻を鳴らして。

「ふふ、まったく。嫡流家もご苦労が絶えない...あおいさんは、そっち側に向かない子だよ。立ち会って理解したし、才が全くないわけじゃないけど今のところ、急激に伸びることも無いかな、残念ながら」

 何をって恫喝してるけど。

 分かった風にとも。

 まあ、彼らはメンツがある。

 潰されたままなのだけど。

 当の本人、蒼はきょとん「ほえ~」って顔なんだよなあ。

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