表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2251/2368

- C 1105話 蒼がしたいこと 5 -

 蒼が戦場にまで歩んで行ってから気が付いたけど。

 彼女は当初、ストーンゴーレムというプロゲーマーを舐めていた。

 メディックボットでも喧嘩くらいは出来るが、対人戦を想定はしていないだけで基本的に、患者が望めば明るい未来が、希望が見えるというコンセプトで開発されたものだから。ともすれば、激しく動き回るスポーツ代表というと、バスケットボールかフットボールか何かだろうか。

 或いは拳で語り合うボクシング。

 防水と耐圧スーツを用意すれば、海やプールも泳ぐことができる。

 ただし、競技への参加は難しいだろう。

「そりゃそうです、()()でなければこんなロボット、倒せないと思いますよ? それはフェアとは言いませんし、楽しみにしてた患者にも気の毒です。ま、ボクの妹分はそれでも()()()()出場しちゃうんじゃないかって、常習犯なんで」

 聞いてないことをすらっと呟くゴーレム。

 着ぐるみを着てはしているけど、中身はあおいと同じ人間ひとだ。

 肩書は――

 人類最強?!

「ひねりがない」


「要らないでしょ、ひねりなんて」

 仮想戦場フィールドの出入口に立つ。

 草原の青い草の匂いが鼻下を擽っていった――風、こんな柔らかくて気持ちのいい微風も再現できるんだ。

 人工島はコスパ重視の、経済巡航速度で海の上を走っている。

 べたつく潮風をぴーかん照りに受け、じりじりと肌が焼けていく感覚の上に、ぬっる~い()()()だったもんが通り過ぎていくのが、この島の特徴である。ま、そのそよ風も走ってる島が人口で作っているものだから。

 なんというか。

 オイル臭いとでも言うか。



 ストーンゴーレムと同じような戦場に立ったとこで、蒼も正気に戻った。

 はやり熱のような感覚で、自分の意思とは真逆な行動をすると認識していたのに――違和感に感じていても冷静になって立ち止まるって、選択肢がなくなってたような気がした。

 で、蒼は自分の身体の主導権を取り戻してから一気に覚めた感覚。

「っちょ?!」

 ゴーレムの周りにボットの死体。

「さっきも言ったけど、安い挑発に乗ってくれてありがとう」

 スキル・挑発。

 レベルアップしても確率によってファンブルする性能というと、このスキルの右に出るものはない。

 しかし一度ひとたび成功すると、対象のタゲを一身に集めることが出来て場を支配できる。

 また、こっちの副次的な効果が大きくて。

 対象は単純な行動、単調な攻撃、与ダメージとクリティカルが半減するという。


『ちょ、反則じゃないの?!』

 なんて、蒼もわたしに食ってかかったけど。

 抵抗レジストが容易で、逆に反射リフレクトもできるという。

 状態異常を狙ったら、逆に我を失うこともある。

 使い難いので(わたしらのプレイしているゲームでは)取得しているプレイヤーは。

 たぶん居なかったように思う。

「じゃ、一手、御指南を貰う前に自己紹介」

 自己紹介?

 蒼はジャージの上衣を剥ぎ取って、

 スポブラと短パンだけに。

 ランニングシューズは、ジャージと共に転がってた。

「ちょ、畳まないの?」


「えー、めんどい」

 そんな子でした?!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ