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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2242/2360

- C 1096話 わたしがしたいコト 1 -

 帰宅して、そのまま服を脱ぎ散らかして――湯船に浸かってるわたし。

 玄関のカギは天使が施錠してくれて、左足の靴が逆さまっだのを直してくれた。

 敷布の上に手提げ鞄。

 リビング前の廊下にスカート、ブレザー風ローブに。

 くしゃくしゃの靴下、裏返ってたり、丸まってたり。

 ブラウスは洗濯機の前で、ブラは投げて洗面台に滑り落ち。

 ショーツは... 洗濯機の端に引っかかってた。

 衝撃で、張った水の中に落ちてくれるだろう。


 で、


 あたしは心臓が止まりそうなくらいの冷水の中で――

「ぎゃあああああ! つめたーい!!!」

 ま、叫んでる。



 夕方以降、マルに奢ってもらった夕飯でコトを済ませて帰宅するまで。

 いろいろあって、いろいろ悩んで、いろいろ...考えさせられた。

 結局、わたしはあおいのことを知らないままだ。


 冷たい風呂桶の水も。

 入ってる内にだんだんと温かくなって。

 今出ると、きっと風邪をひくかもしれない。

《なんか、理不尽だ》



 板間の上で相対するは、ナイフ使いの“死神”と呼ばれた傭兵。

 その魂魄データを基にしたボットがある。

 右に、左にと構え直しても、攻めにくい正眼で対応してくる。

「やっぱり崩しが...、使えないか」

 守りをだ。

 “死神”はどっちかというとカウンタータイプ。

 木剣とはいえナイフのような小刀を見えるだけで4本。

 隠し手で2本持っていて、投擲のような戦術は1ないし2割程度しか見せてこない。

 とにかくカウンターを狙ってくる。


 ただし。


 躊躇したり、怯むと。

 途端に襲い掛かってくるので厄介だ。

「くそっ! 誘ったつもりも無いのにぃ!!!」

 一気に距離を詰めてきて、

 木剣の投擲。

 弾いたら、死角から拳が振り下ろされてた。

 寸でで回避し、迎撃の暇なくそのままボットの背中が見えて――

「うぐっ」

 回転の乗った踵落としが振り下ろされてた。

 演者も咄嗟に頭に近い位置で腕をクロスに受けきったけども、そのまま板間に叩きつけられてた。

「大丈夫か?!!」

 ボットの制御盤についてる同門の徒。

 友人というよりも縁戚者で。

 同年代。

「うーん。大丈夫かは程度に由るかな? すっごい痛いんだけど?!」

 ボットのボディは初期モデルから相当、頑丈にはなっている。

 改良の余地は硬質化だけではなく、滑らかな動きにも反映されて。

「半年前より強くなってない?」


「あー、たぶん。まあ、中央区襲撃事件で、ドローンボットが投入で来ていたらっていう推進派の連中が、()()()()もいい事にお熱でさあ、拳銃弾くらいは弾くらしいよ?!」

 そんな硬質な素材が、だ。

 自重何百キログラムに遠心力加えて攻撃してくるのは――

「反則じゃないかな? 反則だよね、めっちゃ腕が痛い!!!」

 てなわけで。

 ボットはコクーンの中に戻っていった。

「で、何にむしゃくしゃしてたんだよ。あおいはさ、年の近い“お兄ちゃん”に話して」


「はあ?」

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