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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2237/2365

- C 1091話 蒼のこと 1 -

あおいちゃんって、人工島の今の学校...もしかして、転校してきたん?」

 マルは胡坐をかいて、部室の奥にある。

 先ほどまでにごろごろ、ごろごろごろ...

 って、床の上からソファにかけて。

 あっちこっちぐりんぐるん寝転がって、寝てたはずの子が。

 いつの間にか覚醒したかと思えば。


 いっそう遠くに見える。

 部室の奥の院たる、奥の部屋にあったわけだ。

 そう、しかも。

 わたしが昼寝に使用している煎餅布団の上に、まるで置きもののような状態で鎮座してるんだもん。

「なんで!!!」

 蒼の問いにわたしが反応してた。

 しかもちと、怒気交じりの即答である。

 何故だかは分からないけど。

 問うたマルが少し引き気味のようで、

「いあ、エサちゃんが調べても、さ。蒼のルーツが見えないっていうか」

 八ツ橋家の情報収集力は国家レベルだ。

 いや厳密にかつ、正確に言い直せば。

 人工島政府が使っている諜報員たちが、八ッ橋の門下という噂がある。


 ともすれば、その八ッ橋をもってしても。

 あおいは謎のJKということらしい。


 で?

(わたしが両手で顔をぬぐった時の感想)


 かばねのどこかに数字を冠する有力者のなかでも八ツ橋は一目置べっかくという存在。


 え?

(マルが対で返した反応)


 片葉ひとつば家の嫡流御三卿なんて言われてる二葉の家人わたしでも。

 八ツ橋家の関係者と友達になれたことは。

 ま、宗家の口の葉を借りれば名誉なことなのだそうな。

「息苦しくない? ソレ」

 左右に揺れるマルに再び視線を向けた。

 わたしの表情かおは曇ってたようだし。

 苦しい、か。

「でも、現実的リアルにエリザさんと友達になれる機会はそう、ないのでしょ?」

 マルを通しても。

 言って知人止まり。

 こうやって得体のしれない部室に遊びに来る関係は。

「そうでもないよ」


「そう?」

 マルは考え過ぎだという。



 マルの問い通りに。

あおいは転入です。1年の終わる、3~4か月前にこそっと」

 冬の同人誌即売会イベントに合わせて入国したというので、準備期間と諸々を含めると。

 だいたいその辺りだったという。

「イベントかあ~」

 左右に揺れるマルは納得はしていない。

「去るものあれば、来るものあり」

 はて。

 なんです、其れ?

「中央区の襲撃事件、あれの続きで不法入国された形跡が、さ。あの後、見つかったんだよね」

 これは世間話だ。

 蒼の転入と住民票は正規の手続きが踏まれ、政府に記録が残っている。

 ただし証明する写真などの記録が曖昧だという。

 おいおい。


 なんです、その疑いの目は。

「千本松原さんも、旅券じゃあ、ないよね?」

 なんなら。

 彼女も怪しまれている。

 どうしたんです? マル、今日はちょっと怖いんだけど。

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