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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2235/2366

- C 1089話 かつては、4 -

 蒼とわたしの間には、かつての友。

 千本松原でも障害にはなりえない――が、彼女は単に尖兵でしかなかった。

 良くも悪くも狂戦士バーサーカーあおいの居ない“スレイヤーズ”はチームではない。

 故に、彼女が人工島へ引っ越すと。

 自然消滅したと、千本松原は言った。

「蒼が硬派じゃないことは、幹部連中でも何人かが知ってました。ぶっちゃけると...です」

 ぶっちゃけ過ぎだね。

 蒼が混乱してるじゃないか。

 彼女は上手く隠し果せていると思ってたのだから。

あおいが本土から居なくなったのがきっかけで」

 千本松原の言葉を借りれば。

 蒼が時々顔を見せてる時、仲間たち()かつての栄光でも振り返るように集合してたが。

 すでに崩壊してたのだという。


 で。

 千本松原は一計した。

 騒ぎを起こせば、彼女が戻ってくるのではないか。



 チームの3分の1で起こしたチンピラたちへの攻撃。

『うーん、ごめん。あおいは家の用事ばばあが煩いから、そっちの集会に顔を出さないとダメなんだよね。...ったく、あの長老ばばあが、こっちはコ〇ケの準備で忙しってのに。親戚のガキども集めて手伝わせようかなあ~』

 なんて悪態をついて。

 不発に終わり、条件はクリアできなかった。

 ま、

 逆にだが不良少年・少女たちの方は、街に巣食う悪漢どもの一掃に貢献したとして。

 いちやく...

 街のヒーローになったという。


「マジで、何やってんの?!」

 これがわたしの素の反応だ。

 友達ピンチじゃん、本音駄々洩れだし。

 蒼、見損なうよ?

「あー、あれね。いあー、マジ無理。長老ばばあさ、怒らせると仕送り途絶えちゃうんで。同人誌コミケだけぢゃ未だ、まんま食えて無かったし。今ならほら、絶賛、音信不通だし」

 えー。

 そういうもんなの?

 それでいいの?

「そこで肉巻きの千本松原わたしは更に策を練り上げ、アレに至ったわけです」

 多大な犠牲が出た。

 骨折、捻挫、打撲、暴行、性的被害と何処までも最悪な記憶。

 みっつのチームが了承した肉を切らせた苦肉の策。


 蒼という少女に振り向いてほしかった一計だって話だが、みんな、それぞれに愛が重い。


 ともすると。

 わたしのこの胸の奥でぎゅっとされて。

 腹の下がもやっと、きゅんと来るのは何だろう。

『天使が思うには、嫉妬だと』

 虚空をグーで殴り倒した。

 ()()()()()()()()という言葉がある。

 別にシモの話じゃないよ。

 そんなことは連想してない。


天心あなたは...」

 肉巻きボーイッシュちゃんがいつになく真面目に。

「変な薬でもキメてるんですか?! ちょ、怖いです」

 違ぁーう! 違うよ、違うから。

 ほら、マルも。

 なんか言ってよ。

 天使見えてるんだか...ら...?





 寝てるぅー。

 静かだと思ってた。

 いや、静かすぎるなあとは思ってた。

「これは起きんなあ~」

 自由ーっ!!

 友人とはいえ、他人さま方に変な差し入れをして。

 勝手に寝やがったぁー!!

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