- C 1087話 かつては、2 -
本土から蒼を追って、危ない子が来た。
蒼と遊ぶためならば自作自演の抗争もプロデュースする。
はっきり言えば、ネジの飛んだ子。
見た目は美少年だけど。
密着したわたしが断言しよう!
彼女から『あなたは本当に失礼な人だ』と言わせたこのセリフ。
密着したら確かめる。
股間を気が済むまで弄り倒し、指も入るとこまで挿入させた。
マジ、女の子でした。
付いてるかなあと思ったんだが。
単にハスキーな低音ボイスだっただけで。
喉仏は気のせいだったんだね。
めんご、めんご。
ついで。
そう、失礼ついでに、だ。
挿入した指をくんくん嗅いでみた。
「うあああああ!!」
千本松原の悲鳴。
別にナイフとか物騒なもん持ってるわけじゃないし。
弄ったんなら、そりゃまあ、ね。
確認するよね。
あじ、は見ないけど。
「な、なめ舐めんなよ!!」
「匂いはまあ、ちょっとエッチな感じだけど」
年頃だから、ね。
どっちに好意を持ってるか。
そりゃ一目瞭然だ。
蒼を振り向かせたくて、彼女は様々な手札で追い詰めようとした。
が、悉く裏目に出たのか。
あるいはソレで良かったのかもしれない。
バカを地で行く青春の甘酸っぱさか。
◇
蒼のからの視線を、わたしで回避する千本松原。
焦れる蒼と恐怖に涙する、わたし。
「どうです?! 攻撃、出来ませんよね!」
それは同時に。
千本松原も持久戦に入っている。
だってあたしを突き出してるだけ。
反撃するきらいがない。
暫くの膠着状態に新風が。
アレだ。
「ちゃーす! マンドラゴラ持ってきたよ~」
奇妙な人参を数株持ってきたマルがわたしたちの背後に立つ。
「さあ、マルちゃんやっておしまいなさい!!!」
蒼が他人を使う?!
ちょっと信じられなかったけど。
バーサーカーなオーラがいつの間にかに消えていて。
マルが千本松原に飛びついてた。
「こら、ガキがくっつくな! 乳臭くなるぅ! 嫌なんだよ、ガキが」
千本松原も大概だぞとは言わないでおく。
こうして、危ない子はもっと危険な子によって静止され。
蒼の下におでんの具のような、つけ揚げウインナーっぽくす巻きにされた。
「蒼が欲しいのなら正面から来い! 受け止めてやるとは言わないが。清々しくさっぱりとフッてやったのに。そうすれば未練がましく人工島まで追ってくる事も、しなかったのだろ?!」
まあ、そうだろうなあ。
いあ、そうかな。
「一度は諦めたんですけど。拒絶されるたびに燃える恋もあると思って」
うん。
恋って認めちゃってるんだ。
そこは正直凄いわ。
「蒼の同人誌を買い漁って、創作志向がBLから百合へ流れてるのを知ってもう、我慢の限界に」
うーん。
「マンドラゴラの塩焼き食べる?」
そうだ。
マル、こいつが居たんだ。
人参のようだが人面の、狂気に満ち、苦悶の表情の頭部っぽいのが並んで刺さった串がある。
これを凹んでる千本松原に串に刺していた。
オイっ!!