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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
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- C 1084話 天秤のゆくえ 4 -

「蒼は何処にも行くな!!」

 これはわたしの意思。

 唯一の友達だし、親友と呼べるような付き合いになりかけてたから。

 いや、わたし()()()()呼んでいいと思ってる。

「うん。天心こころさんに質問です」

 どこから親友って呼ぶんだろうって、考えても。

 そもそも本格的な友達というと、後にも先にも彼女しかいない気がする。

 そうなると親友ってどうしたらなれるんだろう。

「――ううん、分からないけど関係ない。蒼は蒼だから、何かが問題のように壁となってくるとか、足枷が増えるとか――物理的ならどんな壁だって乗り越えてやるし。足蹴にしてけ破ってもする、だから蒼はそのまま此処にいていいんだよ!! いあ、わたしの隣で笑っててくれて」

 ちょっと重たかったか。

 距離感なんて分からないし、近くにいたメイド長だって結局はわたしを捨てた。

 自分の幸せを優先したのだし。

「あはははは」

 やや乾いた笑いが蒼から漏れた。

 でも、何度も手の腹で目の端をぬぐって見せてて、

あおいは愛されてますね、それも誰かに見せつけてやった時のような見せかけじゃなく。こう、ぐっと心を鷲掴みにしてくるような。そう、芯のある()()天心こころさんに言わせてしまいました。出来れば、蒼が言いたかったんですけど...この関係が壊れるんじゃないかって」

 蒼も似たことを思ってた。

 慎重とも言えない大胆な遊びで、外堀を埋めて。

 振り向かせる手はずを整えて。



「まあ、言うて。総長も百合に憧れてチームを結集させたのに硬派なんて全く縁のない人でしたもんね。それでいて腕っぷしは強く、惚れられる対象で惚れる人が少なかった、そんな」

 ま。

 ボーイッシュのキミは余計なことを口にし過ぎだが。

 正直に紹介されると、悪い子じゃなかった。

「どうも、趣味は手芸な特攻隊長してます“千本松原”です」

 渾名は“せんぼん”。

 蒼が同人作ってマンガ描いてる趣味を、チーム内で知る後輩である。

 中学の時に勧誘したというから。

「まさか?!」


「(ややバツが悪そうに猫背になる角縁スクエアメガネっ子)小学生から単車のケツに?!!!」

 さすがに引かれた。

 そんな筈はない。

 ボーイッシュちゃんと、蒼の年の差は1つ程度。

 ほえ~ってヌケてるときは蒼が幼く見えるけど、彼女は17の後半くらいで。

 お、ちょっと待て。

あおい...、()()。なのでは!?」

 そこか。

 天使にツッこまれた。

 いや、体育会系では大事な話では。

「後半っても、生まれは1月ですし。1年ダブりですのでセーフですよ」

 そうか、そうか。

 ふふ、そうか...

 なんか出会った時よりも蒼のことが知れた気がする。

 う~ん、ふ~ん。

「なんか嬉しそうですね?」

 ボーイッシュの子が察知してくれたけど。

 この後の言葉で、わたしは転落したんだよな。

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