表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2213/2361

- C 1067話 文化際・爆ぜろ、わが身 1 -

 王立魔法科高校の公演は成功したような、気がする。

 ハプニングさえも演出だと誤魔化して、だ。

 残念ながら。

 わたし個人は、楽屋にて『お嬢様は、何してらっしゃるんですか!!!!』と。

 元メイド長に怒られてた。


 しゅんと小さくなる。

「殿方を貰う側だと理解していますか?!!」

 二葉家は、今や没落寸前である。

 まあ、親戚の誰かを養子に迎えて、彼らに譲れば家の束縛から逃れることは出来る。

 と、なると。


 宗家直流の血統からみると、だ。

 二葉は継がなくていいのなら、宗家で婿を取れって流れになる。

 これが面倒なので『二葉の再興』を掲げてた。

 はずだった。

「えー、茄子きら~い」

 好き嫌いの問題ではない。


 しいて言うと、だ。

 ゴーヤとヘチマも嫌いである。

 あれが、だ。

 入るとは思えないんだ。

 腹が避ける気しかしないんだが。

「また、そんな屁理屈を!!」

 元メイド長は。

 わたしに見せつけるように、赤子を抱いて大きくなった腹の姿である。

 わざわざの妊婦さんは、だ。

 わたしに『進学よりも、婿どりを』と催促にきた。


 侍女長じぶんは、恋愛結婚の癖に。


 楽屋の絡みにあおいが参加しないのも、彼女なりの配慮というか。

 空気を読んでた。

 友達なら、口は挟まないだろうし。

 友達以上でも、家の事情には挟みにくい。

 女、ふたりで守れる家は屋台骨が痩せていないからだ。



 元侍女長のストレス発散に付き合った、あたしが解放された。

 楽屋の空気はすっかり冷めた感じ。

 ま、侍女長かのじょの気持ちを考えれば。

 天塩に掛けて育ててた娘の変わり果てた、おっぱいが――寄りにも寄って、公然の前に零れ落ちたのだ。そりゃ親の代わりでキツくもなるし、小言にもなるだろう『破廉恥な!』と罵られても仕方のないことだ。

 しまいには。

 演目の最終幕。

 悪女、魔女だった“()()()”は嫉妬に駆られて、将軍の名を叫んで盛大に燃やされる。

 いあ、脚本的には篭絡し、児戯でも“愛”に飢えていた竜の乙女は――

 観客も乙女かのじょに同情しながらも、火刑で散る悪役の最後を共有する。

 NTRは鉄槌を喰らうという理屈ことわりと、もやもや感が与えられたままだが。



 今、楽屋では3回目の公演について。

 何回目かのエフェクト効果について話われている――わたしの“火刑”シーンだが、すでに初回と2回目とで燃やされ方に差異があり、どんどん派手になってる気がする。最初は、魔法科によるAR仕様の嘘っぱち演出だった。

 ARゴーグル越しの奇跡ハプニングだったので、零れた駄肉が演出だと受け入れられたが。

 ARゴーグル不要論が噴出して、演劇科が押し切られてしまう。

 いあ、押し切られた前提がある。

 掛けなくても、魔法科の連中は“魅せる”ことが出来たからだ。


 仕掛けは、最高学府から持ち込まれた壮大な舞台装置。

 展示用虚像投射装置、いわゆるホログラムだ。

 だれがここに持ち込んだのか。


 言わずもがな。

 八ッ橋()()の力押しで、デモンストレーション。

「天ちゃん燃やすなら、派手に行こうよ!!」

 この一言で、だ。

 演出家の講師殿に火が付いたってわけ。

 もう、もやされるの... わたしなんだよ!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ