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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2207/2362

- C 1061話 文化際・準備 1 -

 高級ブティックに迎え入れられて、裸足でレッドカーペットみたいなのを歩いてたような、夢のような夢をみた後の――シーツが盛大に濡れてる違和感で、今、わたしが跳ね起きたところだ。

 天使が体半分、壁から生えたように見える形で。

『また、派手に()りましたねえ』

 派手に、ぢゃねえよ。

 わたしじゃ、わたしじゃねえよ、たぶん。


 寝る前に2回は行った。

 トイレの中で...

 っ、まあ。

 昼間のアレを思い出して吹くまで擦りはしたが。

 布団の中で吹くような、ことは。

『潮っ気はないですが、独特な匂いはしますね』

 いうなー。

 いうなあああー。


 頼むから、いうな。

 絶対に、だ。

天心こころさん、ごめんなさ~、い? あれ、起きちゃいました?」

 ん。

 あ、あおい、か?

「はい、蒼です。天心こころさんに手製のスポドリ呑ませようと思って、豪快にぶちまけたあおいです!!」

 あ?



 魔法科で売られている“ポーション”を原材料にした。

 マルが仕入れてきた“巣蜜”を足して煮詰めたという実に甘そうな液体に、薬草などが微塵切りにされて投入――スムージーみたいになってる飲み物が、わたしの股間に投げ込まれた。

 たぶん元気になったのは一部なんだと思うけども。

 まって、まって。

 わたしの裸を堪能した後、プールに行ったまでは記憶があるんだけど。

あおいはそのままお泊りです。天心こころさんったら強引で」

 は、はい。

「なかなか眠らせてくれないんですよ。でも(くすりと、微笑みが浮かぶ)...まさかあんなにかわいいトコがあるなんて」

 ええ?!

 覚えてないけど。

 あれ、これ覚えておかないとダメなパターン。

 もしかして...

「一回だけ負けて上げたら、其処で喜んでくれて寝てくれました」

 そっちかー。

 記憶がないまま、押し倒したんかと思った。

「ちょっと意外だったのは、横になってたらあおいのうなじを嗅いできたのはびっくりです」

 で、スムージーを作り運んできたら。

 寝ぼけたわたしは、屈んだ蒼にキスをしたというのだ。

 信じられないが咄嗟だったと打ち明けて。

 二度目のびっくりで、持ってたスムージーを豪快にぶちまけたという。

「うああああ なんか、ごめん」


「いえ、あおいも不勉強で、驚かせてしまったようで」

 蒼の中でキスと言えば舌を絡めるディープだという。

 BLなどの参考資料からの知識だといったが、実戦でソレが出来るとは思えない。

 が、蒼は濃密な唾液の交換までやってのけたのだと。

 聞き出したわたしも赤面だけど。

 指先で唇を這わせているあおいも、頬が赤い。

 こ、こやつ初めてではないな。


 その時はなんとなく、そう感じた。

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